ブックタイトルカレントテラピー 37-2 サンプル

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概要

カレントテラピー 37-2 サンプル

Current Therapy 2019 Vol.37 No.2 11先進医療の成果123同定率は98.6%,方法別では色素法単独98%,色素・RI併用99.2%,RI法単独98.7%と欧米の成功率93%を上回った(図3).色素の種類別では,インジゴカルミン単独96.5%(498/516),ICG単独99.6%(222/223)RIの種類別では,色素・スズコロイド併用98.7%(157/159),スズコロイド単独100.0%(8/8),色素・フチン酸併用97.6%(1,849/1,894),フチン酸単独98.6%(358/363)であった.色素およびアイソトープの種類別でもそれぞれ96.6%以上,97.0%以上の高い成功率であった.SLN摘出個数は色素法単独が他の2法より有意に多かったものの1個以内の差であった(表2).迅速病理診断は85.7%で実施され,多くが入院時,乳房手術と同時に施行された.方法は組織診/HEが77.6%を占め,迅速診断の結果83.7%で転移がなく,81.5%で同日の腋窩リンパ節郭清が省略された.副作用は調査対象1,709例において,色素注入によるgradeⅢ,Ⅳの重篤な副作用は,全く認められず,gradeⅠに相当する一過性の皮疹を2例(0.06%)認めるのみであった.RI法による副作用は,全く認められなかった.また,施設別にみた生検手技,薬剤の種類,投与方法をまとめた.色素の投与量は,5mLを採用していた施設が最も多かった.施設毎のRIの標準的な投与量は,80%の施設で111MBq以下であった.Ⅴ 考察本試験は,世界的に早期乳癌の標準治療に組み込まれているSLN生検について,わが国で使用されている薬剤の効果(同定率)と安全性の同等性を確認するために計画されたものである.今回の研究の立案に先立ち,SLN生検に関する全国アンケート報告を日本乳癌学会保険診療委員会として行った.日本乳癌学会認定施設を対象とし,174施設(63%)から回答があった.その結果,SLN生検の実施施設は152施設(87%)であった.実施していない施設でも,16施設(73%)が保険適用の実現となれば,すぐにでも実施したいとしていた.このことから世界的に標準療法として認知されている本方法が,すでにわインジゴカルミンICGICG+インジゴカルミンその他インジゴカルミン1,964(65.4%)ICG+インジゴカルミン240(8%)ICG788(26.2%)その他11(0.4%)図2 色素の種類98.7%99.2%98%95.59696.59797.59898.59999.51000921/9402,040/2,056369/374p=0.003N.S.色素法単独色素+RI併用法RI単独法図3 同定成功率表2 方法別のSLN個数色素法単独色素+RI併用法RI単独法平均個数2.43±1.54 1.90±1.17 1.74±1.00範囲1~12 1~8 1~7p=0.001p=0.032p<0.001