ブックタイトルカレントテラピー 37-2 サンプル

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概要

カレントテラピー 37-2 サンプル

66 Current Therapy 2019 Vol.37 No.2178催し,病院として手続きを進めることの了承を得た.その後,2017年2月の名古屋大学医学部附属病院生命倫理審査委員会で審議され,3月6日に承認された.承認された説明文書,署名された同意書をはじめ国の定める様式などを整え,3月21日に国に申請した.国の患者申出療養評価会議で審議を行い,了承された後に官報に告示されるという流れとなるが,国への申請から告示まで原則6週間とされていること,患者申出療養評価会議の日程調整も必要であることから,厚生労働省の担当者と連絡を取り合いながら申請日を決定した.Ⅴ 成果と課題国への申請後,患者申出療養評価会議の評価委員からの質問への回答および必要に応じて臨床研究計画書等の修正を短期間で行う必要があった.2017年4月13日の第5回患者申出療養評価会議で審議され,会議の場での修正はなしで「適」とされた.そして,2017年5月2日(申請日の3月21日から6週間後)に官報に告示され,無事に申出を行った患者に投与することができた.背景で述べたとおり,長年にわたり学会等から要望が出されていたにもかかわらず実際の投与までなかなか結び付かなかったが,患者申出再発または難治性の髄芽腫/PNET/ATRTに対するチオテパを用いた自家末梢血幹細胞移植に関する研究対象:0歳以上19歳以下の再発または難治性の髄芽腫/PNET/ATRT(※)目的:患者の申出に応えつつ,未だ薬事承認・保険収載の可否判断を行うには有効性・安全性の根拠が十分でない,評価の定まっていない治療法の,本邦での実施可能性・安全性プロファイルの確認を行う評価項目:自家末梢血幹細胞移植後100日以内の全死亡率予定期間:登録期間2017年8月末まで,追跡期間自家末梢血幹細胞移植後1年,解析期間1年実施医療機関:名古屋大学医学部附属病院欧米における薬事承認状況欧州:効能・効果 血液悪性腫瘍・固形癌に対する自家移植前治療,血液悪性腫瘍に対する同種移植前治療承認年月 2010年5月米国:2007年4月(オーファンドラッグ指定)ガイドライン記載有主な臨床試験成績初発髄芽腫21例に対する自家移植:完全奏功17例(81%),3年無イベント生存率と全生存率は各49%と60%.再発髄芽腫25例に対する自家移植:移植後30日以内に早期死亡3例,再発16例,無イベント生存6例の移植後観察期間中央値151.2カ月。注意すべき副作用等易感染性,敗血症,貧血,白血球減少,血小板減少,腎不全,ショック,肝障害等薬事承認取得・保険収載までのロードマップ保険収載薬事承認企業治験もしくは医師主導治験企業治験もしくは医師主導治験(薬物動態試験)有用性が認められた場合薬事承認に至らなかった場合患者申出療養患者申出療養の取り下げ安全性上の問題等で,実施継続が不適切と考えられた場合開発中止医療としての有用性が認められなかった場合2016/12/31現在(※)同種同効薬で別途実施されている企業治験では  原疾患に対する他の治療を行っている患者は除外図4 薬事承認または保険収載までのロードマップ