ブックタイトルカレントテラピー 37-2 サンプル

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カレントテラピー 37-2 サンプル

58 Current Therapy 2019 Vol.37 No.2170ため,エキスパートパネルに参加する早期臨床試験に携わる先端医療科の医師より,担当医へ直接連絡を行っている.Ⅲ 多遺伝子パネル検査を用いた先進医療1 多遺伝子パネル検査について国立がん研究センター中央病院が申請医療機関となって実施中の「個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査研究」では,国立がん研究センター研究所が中心となって開発した,NCCオンコパネルという多遺伝子パネル検査を用いている.表1に示す114のがん関連遺伝子を搭載しているが,これらの遺伝子は,現在,承認された分子標的治療薬があるものだけではなく,開発中の薬剤も含めて将来的に分子標的薬が期待できるもの,薬剤耐性に関与する遺伝子などが含まれている.114遺伝子の全エクソン領域を対象として変異・増幅を,うち12遺伝子についてはブレイクポイントを含むイントロン領域も解析することで遺伝子融合が検出可能である(表1).また,NCCオンコパネル検査は,免疫チェックポイント阻害剤の効果予測因子として腫瘍変異負荷(tumor mutation burden:TMB)が推定可能なことも特長のひとつである.多遺伝子パネル検査では,全長0.5Mb以上で,全エクソンシークエンスの結果との相関が得られると報告されている1).一方でNCCオンコパネルでは全長約1.4Mbであり,自施設で行った検証でも全エクソンシークエンスによるTMBの推定値と良好な相関を示している.2 試験の背景当院では2012年から,ゲノム医療の実装化に向けたクリニカルシークエンスプロジェクトとしてNCCオンコパネル検査を用いたTrial of Onco-Panel中核拠点病院連携病院DataDataNGSエキスパートパネル-検査説明・同意取得-検査結果説明検体提出レポート返却臨床検査企業検査室-解析データの確認-レポート原案作成ウェブ会議 等レポート返却臨床情報データ送付検体提出-検査説明・同意取得-検査結果説明中核拠点病院の流れ連携病院の流れ臨床検査科図2ゲノム医療提供体制連携病院 135施設中核拠点病院 11施設図3 中核病院と連携病院の連携体制