ブックタイトルカレントテラピー 37-2 サンプル

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カレントテラピー 37-2 サンプル

42 Current Therapy 2019 Vol.37 No.2154ついてさらに長期成績を確認中である.Ⅶ 先進医療としての意義このコラーゲン半月板補填材は従来の医療機器とは異なり,生体由来材料のため臨床研究や治験と承認にいたるガイドラインは未整備であった.2017年3月に国立医薬品食品衛生研究所から次世代医療機器・再生医療等製品評価指標作成事業として生体由来材料分野審査WG報告書が出され,審査評価指標案が示された.この指標案は,コラーゲンやキトサン,生体弁など,すでに生物由来材料が広く医療に貢献していることを踏まえ,生体適合性,生分解性および生体内での高い機能発現など,多くの優れた点をもつ医療用材料として審査時に考慮すべき評価項目を記載した「評価指標」の案を示したものである.本臨床研究は,コラーゲン由来の生体材料新規医療機器であるため,安全性,有効性や適応を検証・探索するために先進医療として臨床研究を行っており,医師主導治験または企業治験を導出するために有用と考えられる.Ⅷ おわりに欠損を有する半月板損傷には,現在のところ有効な治療法はまだ確立されていない.われわれはアテロコラーゲン由来の半月板補填材を用いて半月板の修復を促す研究を行っている.生体材料由来のインプラントであるためガイドラインは未整備であったが,2017年に審査評価指標案が示され,同案に沿って有効性や適応を検証・探索するために先進医療として臨床研究を実施している.ACMSは半月板の生体力学的機能の代償を担うほかに,修復細胞の足場としての役割をもっており,80%の症例で欠損部の良好な修復を認めた.従来は縫合困難であった半月板損傷に対する,半月板機能を温存した治療として今後の発展が期待される.参考文献1)Walker PS, Erkman MJ:The role of the menisci in forcetransmission across the knee. Clin Orthop Relat Res 109:184-192, 19752)Nakata K, Tsuji T, Vietri J, et al:Work impairment, osteoarthritis,and health-related quality of life among employees inJapan. Health Qual Life Outcomes 16:64, 20183)Arnoczky SP, Warren RF:Microvasculature of the humanmeniscus. Am J Sports Med 10:90-95, 19824)Day B, Mackenzie WG, Shim SS, et al:The vascular andnerve supply of the human meniscus. Arthroscopy 1:58-62,19855)Englund M, Lohmander LS:Risk factors for symptomaticknee osteoarthritis fifteen to twenty-two years after meniscectomy.Arthritis Rheum 50:2811-2819, 20046)Stone KR, Rodkey WG, Steadman J:Meniscal regenerationwith copolymeric collagen scaffolds. In vitro and in vivostudies evaluated clinically, histologically, and biochemically.Am J Sports Med 20:104-111, 19927)Stone KR, Steadman JR, Rodkey WG, et al:Regeneration ofmeniscal cartilage with use of a collagen scaffold. Analysis ofa b図4関節鏡所見a:手術時,b:術後6カ月.初回手術時に半月板欠損部にACMSを補填して修復.術後6カ月で補填部分は瘢痕組織で置換されている.