カレントテラピー 36-6 サンプル

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Current Therapy 2018 Vol.36 No.6 9511である.後期動脈相では低吸収を示す腫瘍が平衡相では不明瞭になる場合がある(図2).また逆に後期動脈相では指摘困難な膵癌が平衡相で遅延性に濃染して同定が可能となる場合もある(図3)5).高濃度造影剤を使用した場合にはこの遅延性濃染もより強くなるので小膵癌の検出能の向上も期待できる.画像の再構成と読影は2.5mmで行っている.再構成画像(MIP像)や3D画像の作成用1.25mmのthinsliceデータもサーバーに保存している.動脈優位相のthin sliceの画像データから作成した3D画像(volumerendering:VR)を用いて動脈解剖や動脈浸潤の評価を行っている(図1⑨).また,後期動脈相(膵実質相)のデータから冠状断,矢状断あるいは頭部や体尾部に平行な斜位像などのMIP像も作成しているが,横断像とは異なる断面は,腫瘍の拡がりや血管浸潤などを評価するのに役立つ(図1⑦,⑧)6),7).撮像範囲造影剤注入後撮像開始時間スライス厚追加スライス再構成画像単純肝~腎2.5mm早期動脈相肝~腎25sec 2.5mm 1.25mm3D(VR)MIP後期動脈相(膵実質相)肝~腎40sec 2.5mm 1.25mmMIP(3mm.1mm space)門脈相肝~腎70sec 2.5mm 1.25mmMIP(3mm.1mm space)平衡相肝~骨盤180sec 2.5mm 1.25mmMIP(3mm.1mm space)表膵のダイナミックCT撮影法高濃度ヨード造影剤(350mg/mL)造影剤注入時間:30秒固定:注入時間一定法350mg/mL:1.8mL/kg:60kgなら108mL,70kgなら126mL注入スピード:注入量/30秒:60kgなら3.6mL/s,70kgなら4.2mL/s① 単純③ 後期動脈相(40s)⑨ 3DVR(立体)⑤ 平衡相(180s)② 早期動脈相(25s) ⑦ 斜位矢状断像⑧ 斜位冠状断像④ 門脈相(70s)⑥ 遅延相(5min)図1 膵頭部癌ダイナミックCT(6相)のViewer画面(PSP社,EV Client)画像Viewerの画面に,6相のダイナミックCTの横断像,斜位冠状断および斜位矢状断像,3DのVR画像を表示している.カラーのVR画像では立体視で動脈解剖を観察している.