カレントテラピー 36-6 サンプル

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Current Therapy 2018 Vol.36 No.6 77代替療法579題で発症することもあれば,一定期間内のストレスの総和と相関することがある5).病気を治すことができない状況でも,苦痛緩和の治療や精神的サポート,生活支援の情報提供は,日常のなかで生じる困難への援助につながる.がん治療も緩和ケアもチーム医療であり,医療者に大切なことは,自分にできないことをサポートしてくれる窓口を紹介できるようにしておくことである.Ⅲ 終末期の予後予測予後が厳しいがんにおいて,予後予測は医療者にとって,治療方針の決定を大きく左右する.現在日本で終末期の予後予測によく使われるのは,PalliativePrognostic Score(PaP score)6()表3~5)とPalliative Prognostic Index(PPI)7)というスコアで,予後1カ月以内の予測,つまり看取りにつながる時期に使うことが多い.PaP scoreは血液検査の結果が必要だが,PPIは血液検査を要しないため,在宅や施設でも使いやすい.もう少し前の段階からの予後予測には,2011年に英国で開発されたprognosis in palliative care studypredictor(PiPS)models8)がある.これは,緩和ケアチーム,緩和ケア病棟,在宅の患者を対象に開発され,余命が56日以上(月単位),15~55日(週単位),14日以下(日単位)の予測ができる.PiPSのWeb1000 10 20MonthsKaplan-Meier Estimates of Survival According toStudy Group.Early palliative careStandard care30 40806040200Patients Surviving(%)図2 標準的なケアと早期からの緩和ケア介入群の生存曲線〔参考文献3)より引用〕表4 Karnofsky Performance Scale100% 正常,臨床症状なし90% 軽い臨床症状あるが,正常の活動可能80% かなり臨床症状あるが,努力して正常の活動可能70% 自分自身の世話はできるが,正常の活動・労働することは不可能60% 自分に必要なことはできるが,ときどき介助が必要50% 病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要40% 動けず,適切な医療および看護が必要30% 全く動けず,入院が必要だが死はさしせまっていない20% 非常に重症,入院が必要で精力的な治療が必要10% 死期が切迫している0% 死表5 スコア別の生存確率PaP score 30日生存確率生存期間の95%信頼区間0~5.5点>70% 67~87日5.6~11点30~70% 28~39日11.1~17.5点<30% 11~18日表3 Palliative Prognostic(PaP)score臨床的な予後予測1~2週8.53~4週6.05~6週4.57~10週2.511~12週2.0>12週0Karnofsky PerformanceScale10~20 2.5≧30 0食欲不振あり1.5なし0呼吸困難あり1.0なし0白血球数>11000 1.58,501~11,000 0.5≦8500 0リンパ球(%) 0~11.9 2.512~19.9 1.0≧20 0生命予後が1カ月以内と考えられる成人の固形癌患者(頭頚部癌,食道癌,肝硬変を伴う肝臓癌を除く)で,抗腫瘍治療を受けておらず,適切な治療を行っても経口的に十分な水分・栄養を摂取できないものを対象とする.