カレントテラピー 36-4 サンプル

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Current Therapy 2018 Vol.36 No.4 81治療薬解説387に対するSGLT2阻害薬の有効性も検証可能である.Ⅴ その他まだ評価の定まっていない慢性心不全治療薬を幾つか紹介する.収縮不全に対してミオシンアクティベーターというカテゴリーで酸素消費量を増加させずに収縮力を改善させるomecamtiv mecarbilが第Ⅱ相COSMIC -HF試験15)を終了し,イベント評価試験に移行するかどうかという状況である.古くからアデノシンのA1受容体を介する心筋保護作用は知られていたが,房室ブロックなどの副作用のためA1受容体アゴニストの使用は困難であった.最近neladenosonbialanateという選択的A1受容体アゴニストが大きな副作用を呈さないことが確認され,収縮不全に対して有効であるかどうか検討されている16).左心不全による肺高血圧が存在してもエンドセリン受容体拮抗薬など,肺血管拡張薬の治療はむしろ有害である可能性が指摘されてきたが,肺血管拡張薬のひとつである可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬vericiguatが収縮不全に対して有効であるかを第Ⅲ相VICTORIA試験17)で検証中である.拡張不全に対してサイトカインによる血管内皮障害を抑制することが有効であるという仮説があり,IL -1β受容体拮抗薬anakinraの有効性を検証するD -HART2試験18)も行われている.参考文献1)O’Connor CM, Starling RC, Hernandez AF, et al:Effect ofnesiritide in patients with acute decompensated heart failure.N Engl J Med 365:32-43, 20112)Teerlink JR, Cotter G, Davison BA, et al;RELAXin in Acute心血管死と心不全入院心不全入院心血管死安静時HR (bpm)Ivabradine Placebo72.9(-22.5)0 0.6 1.0 1.4 1.8 0 0.6 1.0 1.4 1.8 0 0.6 1.0 1.4 1.866.1(-16.2)62.4(-14.2)60.3(-12.6)59.3(-11.1)?8780-8775-8072-7570-7286.8(-8.8)77.6(-4.9)72.9(-3.7)70.2(-2.7)67.8(-2.7)28日後のHR (bpm)図3SHIFT試験サブ解析〔参考文献8)より引用〕Hazard ratio, 0.67(95%Cl, 0.52-0.87)Weeks since RandomizationPatients with an Event(%)Placebo100 89080706050403020100765432100 52 104 156 208 260 3120 52 104 156 208 260 312Canagliflozinプラセボ群Hospitalization for Heart Failureエンパグリフロジン群HR 0.65( 95%CI 0.50-0.85)p=0.002リスク減少率35%発現率(%)64532100 6 12 18 24 30 36 42 48(月)図4SGLT2阻害薬による心不全予防効果SGLT2阻害薬は糖尿病患者において心不全を予防する.〔参考文献9)より引用〕