カレントテラピー 36-10 サンプル

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90 Current Therapy 2018 Vol.36 No.101016Ⅰ はじめに近年の骨代謝研究の目覚ましい成果を受け,カルシウム薬,カルシトニン,活性化ビタミンD3製剤,ビタミンK2,ビスホスホネート製剤,選択的エストロゲン受容体モジュレーター,副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)製剤,抗RANKL抗体など,多種多様な治療薬が骨粗鬆症の治療に使用できるようになった.骨形成促進作用が期待できるもの,強力な骨吸収抑制作用を示すものなど,特徴的な製剤が揃うとともに,比較的誤差の少ない骨密度測定法が普及し,各種骨代謝マーカーも充実してきたため,患者一人一人の病態に合わせた治療戦略が立てられるようになってきた.かつて,加齢によって生じるやむを得ない疾患と考えられてきた骨粗鬆症は,いまや制御可能な疾患になりつつあるといえる.そして今,有望な効果が期待される新薬が日本でも登場間近となっている.本稿ではその2つを紹介する.Ⅱ 抗スクレロスチン抗体スクレロスチン(sclerostin: SOST)は,硬化性骨症(sclerosteosis)の原因遺伝子として2001年に報告された.硬化性骨症は,進行性の骨格の過形成を伴う,重度の硬化を呈する稀な骨異形成症である.示指,中指の合指症のほか,民族による程度の差があるものの概して高身長を呈する1).頭蓋骨の肥厚に起因する脳神経の圧迫が高頻度にみられ,特に顔面神経の麻痺が最も起きやすいほか,難聴,脳内圧の亢進も伴う1).硬化性骨症の多くはSOST 遺伝子の機最新の骨粗鬆症薬─次世代創薬の展望─齋藤 琢** 東京大学大学院医学系研究科・整形外科学准教授/東京大学医学部附属病院・骨粗鬆症センターセンター長骨粗鬆症診療の真の目的は何か?! ─ 脆弱性骨折の予防と診療の最前線副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)製剤,抗RANKL抗体に続き,日本でも登場間近な新薬として抗スクレロスチン(sclerostin:SOST)抗体であるromosozumabと,PTHrPのN末端のアナログであるabaloparatideの2つが注目を浴びている.Wntシグナルは強力な骨形成作用を有するほか,さまざまな組織や細胞で重要な役割を果たしているが,SOSTは主に骨細胞から分泌されるWntシグナルの抑制因子であり,抗体医薬によるSOSTの作用抑制によって骨特異的なWntシグナルの増強が可能となった.PTHとPTHrPは共通の受容体に作用することから,abaloparatideはPTHのN末端ペプチド製剤teriparatideと類似した機序で作用を発揮すると考えられているが,teriparatideよりも骨吸収促進作用が少なく,骨密度増加においてより優れた効果を示している.これらの骨形成促進薬が市販されれば,今以上に病状に応じた細やかで強力な治療が提供できるようになるであろう.a b s t r a c t