カレントテラピー 35-9 サンプル page 14/34
このページは カレントテラピー 35-9 サンプル の電子ブックに掲載されている14ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
カレントテラピー 35-9 サンプル
34 Current Therapy 2017 Vol.35 No.9848れ,検査後に良質なCEL fileがDATAとして残り,公共DATAベースを用いた各種のvalidationも可能になるという多くの利点がある.将来的にはマンモトーム等の生検サンプルにも対応したいと考えている.このようにCurebestR 95GCは検査をして終わりではなく,近い将来の国内研究用マイクロアレイデータベースを構築し得る新しい検査法として開発された.CurebestR 95GCにおいては原発巣の95個遺伝子の発現解析だけではなく,検査後に約54,000カ所の全遺伝子発現値をCEL file(Windows PC 用)に記録し,DATA用CDに入れて各病院施設に返却することが可能になっている(図3).このことは全国の各病院施設において,95GC検査の数だけ良質な全遺伝子発現データベースが低コストで構築されることを意味する.またCEL fileをPCソフトで解析することによって,各種の多遺伝子アッセイの結果を得ることが可能になる.3 95GC score現在,再発リスクを定量化する「95GC score」(0~100,High/Low境界値50)を開発中である.95GCではIntermediate-risk群を設けず,High-risk/Lowriskの2群のみに分類するために,95個という多数の遺伝子と新しい数学的アルゴリズムBetween GroupAnalysis(BGA)を採用した.BGAとはTraining setの95個遺伝子発現値を95次元空間のベクトルとみなして,再発群の重心と非再発群の重心をそれぞれ設定し,新しい症例を解析する際にはそのどちらの重心に近いかでリスクを2群に分類するという手法である.95GCのアッセイにおいては各症例について重心との距離が計測されるため(図4左),その数値を用いて「95GC score」を算出可能であると考えている.95GC開発時のtraining set 549例において,95GCscoreと再発率は良く相関していた(図4右).十分なValidationを経て実用化を検討したいと考えている.4 CEL file解析ソフトの開発われわれはCEL file解析ソフト(windowsのみ対応)(図5)を開発した.Validationが不十分の為,研究目的に限り,希望する95GCユーザー施設へのソフト配信が可能である.CEL fileをこのソフトで解析することで,「ER/PR/HER2/Ki67および155GC(ER陽性乳癌NAC 感受性予測法)5)」の解析が可能になる.多遺伝子アッセイによる感受性予測専用モデルが各病院施設で解析可能になることを目指している.解析ソフトの独立したvalidation setとして,当科で施行した60例の95 GC のCEL fileに適用したところ,結果は以下の通りであった.0 2 4yearsExternal data sets(n=252)ホルモンのみ(ER+, n+)Log-rankP<.0001high-risk(n=115)Low-risk(n=137)6 8Distant Relapse-free Survival0204060801000 2 4yearsOsaka series(n=72)P-FEC(NAC)+ホルモン(ER+, n+/-)Log-rankP=.99high-risk(n=38)Low-risk(n=34)6 8Distant Relapse-free Survival0204060801000 2 4yearsMDACC series(n=299)Log-rankP=.70high-risk(n=132)Low-risk(n=167)6 8Distant Relapse-free Survival020406080100図295 GC High-risk群への化学療法の上乗せ効果〔参考文献4)より引用〕