カレントテラピー 35-8 サンプル page 20/34
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カレントテラピー 35-8 サンプル
Current Therapy 2017 Vol.35 No.8 73代替療法787鍼治療の方法に関しては文献3),5)を参照していただきたい.電気温鍼器を用いた鍼治療は本病態の治療法として,将来重要な役割を果たすと予想される.なお患者には,使い捨てカイロや温浴で背部と腹部を温めることを指導し,さらに身体を冷やす飲食物(果物,酢,牛乳,炭酸飲料など)の摂取を控えるように指導する必要がある.5 分子標的薬による皮膚障害分子標的薬により,にきび様発疹,掻痒感,手足症候群,爪周囲炎などが起きる.これらの皮膚症状に対する一般的注意として,皮膚に物理的な刺激(高熱・日光・圧迫など)を加えないことや,皮膚を清潔にして保護するなどのスキンケアが推奨されている.また個別症状への対応として,にきび様皮疹には抗生物質(ミノサイクリン内服やクリンダマイシン外用),非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の外用,ステロイドの外用,抗真菌薬の外用が,乾燥やかゆみにはヘパリン類似物質やステロイドの外用,抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬などの内服,爪周囲炎には,洗浄・冷却・保湿・ステロイド塗布などが,挙げられている.本症に対する漢方治療は,「全身倦怠・気力体力の低下」の項で解説した定番処方を投与するとともに,保険処方できる唯一の漢方外用薬「紫雲膏」を就眠熱電球消灯時熱電球点灯時図2 電気温鍼器による温補治療の実際電気温鍼施行後T 脾兪12L1L2L3胃兪腎兪志室背部の太陽膀胱経図3電気温鍼器で温補後の背部兪穴群