カレントテラピー 35-7 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.7 85治療薬解説693一方,フェブキソスタット,トピロキソスタットはともに肝で代謝された後に代謝物が尿中と糞中の両方へ排泄されるため,中等度腎機能低下例までであれば用量の調節は不要と考えられた.両薬剤とも開発時のデータでは腎機能正常群(GFR90mL/分<),軽度低下群(60mL/分 GFR<90mL/分),中等度低下群(30mL/分≦GFR<60mL/分)に分けてフェブキソスタット20mg,トピロキソスタット80mg 投与による血中濃度の推移を検討したが,腎機能による影響は認められなかった(図2,図3)9),10).Ⅳ 慢性腎臓病(CKD)に対する効果1 フェブキソスタットフェブキソスタットでは,CKD3b~5の症例に対して最大1日60mgまでを24週間使用した検討ではこのような高度腎障害例でもおおむね70%以上の症例で血清尿酸値6.0mg/dL以下の達成率を示した(図4)11).アロプリノールは,安全性への懸念から腎機能が低下した患者に対して十分な用量を用いて尿酸を低下させることが難しく,臨床試験の実施が困難であるという実態があった.しかし,フェブキソスタットの登場により腎機能が低下した患者においても十分な用量を用いて尿酸を低下させることが可能となった.従来は生活指導が中心とされてきたCKDを伴う高尿酸血症に対して,薬物治療による腎機能保護効果の有無,通風関節炎の予防効果を明確にすることが重要であり,フェブキソスタットを使用して現在行われている多施設共同,プラセボ対照,二重盲検,ランダム化比較試験(FEATHER試験)の結果が待たれる12).2 トピロキソスタット一方,トピロキソスタットでは中等度腎機能障害(CKD3)を合併した痛風を含む高尿酸血症患者(血清尿酸値:痛風患者7.0mg/dL以上,高尿酸血症患者8.0mg/dL以上)をトピロキソスタット群(最終投正常群軽度低下群中等度低下群1,4001,2001,00080060040020000 4 8 12 16 20 24血漿中変化体濃度(ng/mL)(A)血漿中濃度推移投与後時間(h) (平均値+標準偏差)(B)パラメータ腎機能Cmax(ng/mL) Tmax(h) T 1 / 2(h) AUC0-∞(ng・h/mL)軽度低下(n=5) 806.7 ± 452.3 0.90±0.65 6.67±2.26 1,372.7 ± 659.3幾何平均の比(90%信頼区間)0.8921(0.3764~2.1146)─ ─1.17(0.6491~2.1092)中等度低下(n= 6) 713.2 ± 269.8 1.00±0.55 7.21±2.28 1,426.6 ± 622.4幾何平均の比(90%信頼区間)0.991(0.6488~1.5135)─ ─1.2316(0.7175~2.1139)正常(n= 6) 740.3 ± 411.1 0.67±0.26 8.44±2.92 1,161.5 ± 554.2(平均値±標準偏差)正常:Cin ≧90 mL/ 分/ 1 . 73 m2,軽度低下:60 ≦ Cin < 90 mL/ 分/ 1 . 73 m2中等度低下:30 ≦Cin <60 mL/分/ 1 . 73 m2(Cin:イヌリンクリアランス)図3腎機能低下被験者におけるトピロキソスタットの血漿中濃度推移(80mg単回経口投与)〔参考文献10)より引用改変〕