カレントテラピー 35-7 サンプル

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84 Current Therapy 2017 Vol.35 No.7692リノール,オキシプリノールはいずれも尿酸と同様にプリン体骨格をもっており,類似した構造を有しているため,尿酸のように腎尿細管で尿酸トランスポーターなどにより再吸収されることが知られ,血中半減期が長いと言われている.アロプリノールはXOによりすみやかにオキシプリノールに代謝されるが,アロプリノールを腎機能が低下した患者に使用すると,オキシプリノールの排泄が遅延し,血中濃度が上昇することが推察される.このオキシプリノール濃度の上昇が,腎機能低下例でアロプリノールによる重篤な副作用の多い原因のひとつではないかと報告されていた7).実際に佐治はアロプリノール1日100mg服用中の日本人の患者のクレアチニンクリアランス(Ccr)と血中オキシプリノール濃度の関係を検討したところ,Ccrの低下に伴い血中オキシプリノール濃度が上昇することを示しており8),米国の1日300 mg 服用患者のCcrと血中オキシプリノール濃度の関係と同様であった(図1)7).〔参考文献7)より改変〕自験例:アロプリノール100mg/日n=43r=0.68p<0.001y=-0.08x+14Hande:アロプリノール300mg/日n=28r=0.86p<0.001y=-0.39x+49.8(μg/mL)Ccr(mL/分)0 100 200600402030020100 100 200Ccr(mL/分)血中オキシプリノール濃度血中オキシプリノール濃度〔参考文献8)より改変〕図1アロプリノール服用患者におけるクレアチニンクリアランス(CCr)と血中オキシプリノール濃度対  象クレアチニンクリアランス(Ccr)30 mL/ 分以上の男女29 例腎機能Ccr(mL/ 分※)投与方法フェブリクR 20 mg/日を1 日1 回朝食後に7 日間反復経口投与した. 正常群Ccr ≧ 80軽度低下群80 > Ccr ≧ 50評価項目血漿中および尿中の未変化体および代謝物濃度中等度低下群50 > Ccr ≧ 30※服薬開始前日の測定値20016012080400168血漿中フェブキソスタット濃度0 24 48 72 96 120 144800600400200028血漿中フェブキソスタット濃度-4 0 4 8 12 16 20 24時間(hr)(ng/mL) トラフ濃度(ng/mL)正常軽度低下中等度低下正常軽度低下中等度低下時間(hr)平均±標準偏差(n=5~9)投与7日目図2 血漿中フェブキソスタット濃度の経時推移〔参考文献9)より引用改変〕