カレントテラピー 35-6 サンプル page 17/30
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カレントテラピー 35-6 サンプル
Current Therapy 2017 Vol.35 No.6 77579Ⅰ 補完・代替療法とは補完・代替療法(complementary and alternativemedicine:CAM)は現代西洋医学以外の医療を指し,幅広く,さまざまなものを含む.欧州では補完医療(complementary medicine),米国では代替医療(alternative medicine)という言葉が用いられ,これら2つを合わせたCAMという言い方がよくなされるようになった.西洋医学により多くの疾患の治療が発展していることはまぎれもない事実であるが,CAMは,患者を全人的に治療するという面をもつため,西洋医学だけでは解決できない領域を補うことを期待されている.また,西洋医学による医療費は高騰しているため,その解決策のひとつとしてCAMの導入が検討されている.さらに,患者自身による治療法の選択のひとつとしてもその存在は大きい.1998年ごろの米国での利用率は42.1%と報告され1),その10年後には62%の者が使用していると報告されている2).CAMには多くのものが含まれており,それらについて表1に示す3).Ⅱ 日本におけるCAMのデータ今西らは京都府医師会を対象としたアンケート調査を1999年と2005年に行っている.漢方の実践について,1999年では70%が,2005年では78%が実践していると回答しており,鍼,良導絡,灸の実践については,1999年では11%が,2005年では8%が実践していると回答していた.これらから,日本においてはCAMのなかで漢方が最も多く実践されていると推測された.* 滋賀県立成人病センターリハビリテーション科部長脳卒中リハビリテーションの最近の動向─ 障害に対する新たなアプローチリハビリテーションにいかす補完・代替療法(CAM)中馬孝容*補完・代替療法(complementary and alternative medicine:CAM)は現代西洋医学以外の医療を指し,幅広く,さまざまなものを含む.西洋医学により多くの疾患の治療が発展していることはまぎれもない事実であるが,CAM では,患者を全人的に治療するという面をもち,西洋医学だけでは解決できない領域を補うことを期待されている.また,西洋医学による医療費は高騰しているため,その解決策のひとつとしてCAM の導入が検討されている.さらに,患者自身による治療法の選択のひとつとしてもその存在は大きい.1998年ごろの米国での利用率は42.1%と報告され,その10年後には62%の者が使用していると報告されている.脳卒中を対象としたCAM使用について,海外での報告では鍼治療が最も多く,脳卒中による痙縮や嚥下障害等に対する治療としての報告が散見されている.ただし,推奨できるまでのエビデンスはまだみられておらず,今後の臨床研究報告を待つ必要がある.