カレントテラピー 35-4 サンプル

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12 Current Therapy 2017 Vol.35 No.4318(plaque shoulder)で強く,病理学的に辺縁部での血管新生密度や線維性被膜の破綻,プラーク内出血の存在と関連し,症候性病変で無症候性病変よりも強かった(図8)22).超音波造影剤は,わが国ではペルフルブタンマイクロバブルであるソナゾイドRが肝腫瘤性病変と乳房腫瘤性病変の造影目的に認可されているが,頸動脈プラークの造影に対しては保険適用がなく,現時点では研究目的としてのみ使用可能である.5 可動性病変超音波検査はリアルタイムに形態の変化を観察できるという利点があり,プラーク表面の可動性血栓や,プラークそのものが可動性を示すjellyfish sign23)は,脆弱な状態を示す所見である.超音波検査によるプラーク性状評価に関するメタ解析においても,プラーク表面または内部の可動性病変は,症候性病変との有意な関連が示されている19).Ⅳ おわりに以上のように,超音波検査による頸動脈プラークの診断は,全身の動脈硬化進展度や心血管疾患発症リスクの評価と同時に,脳梗塞・TIAの発症と関係する不安定プラークの評価にきわめて有用である.しかしながら,超音波検査の欠点として,石灰化の強い病変では音響陰影の影響で評価が困難となること,検者間の再現性が低いことが挙げられる.別項で述べられabc図6超音波輝度の計測a:通常のB-mode画像b:Gray scale median(GSM)による輝度計測.Adobe Photoshop上でヒストグラムを用い,血管内腔の輝度を0~5,外膜の輝度を185~195に補正した画像を作成し,プラークの輝度を計測する.本例ではGSM11となる.c:Integrated backscatter(IBS)画像による輝度計測.Filter処理をせず,組織からの反射波の信号強度を計測する.a b図7潰瘍形成a:総頸動脈のBモード長軸像.潰瘍部分では,表面のエコー輝度が低く,プラーク表面から2 mm以上の陥凹を認める(矢印).b:頸動脈分岐部のパワードプラ長軸像.潰瘍内に血流信号の入り込みが確認される(矢印).