カレントテラピー 35-4 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.4 11頸動脈プラーク,頸動脈狭窄の画像診断317ラーク表面よりも超音波輝度が低い場合に診断されるという報告もある17).Handaらは,超音波検査で診断された潰瘍形成を伴う頸動脈プラークの存在は,同側脳卒中発症リスクを7倍高くすると報告しており18),Brinjikjiらのメタ解析では潰瘍形成と症候性病変との関連は無症候性病変に比して3.6倍であるとされる19).4 血管新生超音波造影剤を用いて頸動脈プラーク内の血管新生の存在をリアルタイムに描出することが可能となっている.プラーク内血管新生は,動脈壁を外膜側から栄養しているvasa vasorumとは別個に,増生したプラーク内に新たに形成される細血管であり,炎症細胞の浸潤やプラーク内出血との関連が病理学的に示されている.実際に,造影されるプラークは,超音波輝度が低く病理学的に血管新生が多く認められ20),症候性病変との関連性が強い21).われわれの検討でも,頸動脈プラークの造影効果は中心部よりも辺縁部血管新生菲薄化した線維性被膜脂質コアびらん,潰瘍プラーク破綻粥腫内出血CD68Masson’s trichrome Factor Ⅷマクロファージ,リンパ球図4頸動脈不安定プラークの病理所見脂質コアや粥腫内出血を多く含み,線維性被膜の菲薄化,破綻,びらんや潰瘍形成を認める.菲薄化した線維性被膜にはマクロファージなどの炎症細胞が浸潤し,血管新生が豊富に認められる.abcdef図5 プラーク超音波輝度a, b:低輝度プラーク.a:Bモード画像ではプラークと血管内腔の境界が明瞭に見えない.b:eFLOW画像で血流信号を表示することでプラークの存在が明瞭となる(矢印).c, d:等輝度プラーク.c:Bモード画像でプラークは血管周の結合織と同程度の超音波輝度を示す(矢頭).d:同部位のカラードプラ画像.e, f:石灰化プラーク.Bモード画像(e),カラードプラ画像(f)ともに,プラークは強い音響陰影を伴っている(矢印).