カレントテラピー 35-4 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.4 55361Ⅲ 無症候性頸動脈狭窄症の年間同側脳卒中発症率の変遷無症候性頸動脈狭窄症に対する内科治療の研究が開始されたのは1980年代であるが,動脈硬化危険因子の管理と抗血小板薬を中心とした内科治療のめざましい発展により,頸動脈狭窄に伴う脳梗塞の発症は減少してきている.表1は,狭窄率50%以上の無症候性頸動脈狭窄症例での内科治療による同側脳卒中の年間発症率についてまとめている6).1980年代時には,内科治療で同側の脳卒中発症率は2.5%/ 年程度と推測されていたが,時代の経過とともに発症率は低下し,2010年に発表されたOXVASC試験の結果では,積極的な内科治療により,同側の脳卒中発症率は0.34%/年まで低下した7).日本における研究として,2006~2013年にかけて登録された2,313例の50%以上の無症候性頸動脈狭窄症を対象とした観察研究においても,内科治療群の年間の心血管イベント(脳卒中,心筋梗塞,心血管死)は0.91%,脳卒中イベントは0.46%であった8).頸動脈狭窄病変からの同側の脳卒中は,心房細動に伴う心原性脳塞栓症と比較して一過性黒内障や一過性脳虚血発作など軽症発症の割合が多く,無症候性頸動脈狭窄病変では,まず内科治療による経過観察から治療を開始して症候化で迅速に手術を検討することも多い.Ⅳ 頸動脈狭窄の治療法内頸動脈狭窄症に対する治療の最大の目的は,その後に起こる脳梗塞の予防である.治療の方法としては,大きく3つに分けられる.抗血小板薬,動脈硬化リスク管理を中心とした内科治療,直達手術による頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)中等度狭窄~50 50~59 60~69 70~79 80~876543210(有病率(%))(年齢)男性女性男性女性高度狭窄~50 50~59 60~69 70~79 80~876543210(有病率(%))(年齢)図1無症候性頸動脈狭窄症の有病率〔参考文献1)より引用改変〕研究名症例数同側脳卒中同側脳卒中・一過性脳虚血発作Johnson, 1985 121 3.3 19.0Toronto, 1986 113 0 7.9VACS, 1993 223 2.4 5.2ACAS, 1995 834 2.3 4.5ECST, 1995 127 2.3ACBS, 1997 357 1.2 3.4CHS, 1998 185 1.3ACSRS, 2005 1,115 1.3 3.1ASED, 2005 202 1.2 3.2SMART, 2007 221 0.6表1内科治療中の無症候性頸動脈狭窄症患者の同側脳卒中,同側脳卒中・一過性脳虚血発作の年間発症率〔参考文献6)より引用改変〕