カレントテラピー 35-3 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.3 13致死性不整脈の管理213解析力が低いため,症例数を蓄積し再検討する必要があると考えられた.Ⅳ アミオダロンが長期予後に及ぼす効果:海外のSystematic review1 Amiodarone and cardiac arrest:Systematic review and meta-analysis15)1)目的アミオダロンが心停止後の生存および神経学的予後に及ぼす効果を検討する.2)方法1940~2016 年3 月までのMEDLINE とCochraneLibraryを検索し,アミオダロン,その他の抗不整脈薬(リドカイン,ニフェカラント),プラセボを比較した無作為抽出試験(RCT)と観察研究を抽出した.その結果,MEDLINEから1,458件,Cochrane Libraryから205件,合計1,663件の研究が抽出され,そのうち4つのRCTと6件の観察研究が包含基準を満たした※.(※ニフェカラントに関するデータは日本からの3篇の報告を使用13),16),17).)3)結果プラセボやニフェカラントに比し,アミオダロンは生存入院(OR 1.402, 95% CI:1.068~1.840, Z=2.43,p=0.015)を改善したが,生存退院(RR=0.850,95% CI:0.631~1.144, Z=1.07, p=0.284)および神経学的転帰(OR 1.114, 95% CI:0.923~1.345, Z=1.12, p=0.475)を改善しなかった.4)結論アミオダロンは生存入院を有意に向上させたが,プラセボまたは他の抗不整脈薬と比較して生存退院または神経学的転帰に有用ではなかった.2 Amiodarone or lidocaine for cardiacarrest:A systematic review and metaanalysis18)1)目的アミオダロン,リドカイン,プラセボの比較効果を明らかにするために系統的レビューとメタ解析を施行する.2)方法2016年5月15日までにPubMedとEMBASEで発表されたアミオダロン,リドカイン,プラセボを比較した研究を抽出した.主解析としてRCTの生存入院率と生存退院率を検討し,二次解析として母集団に非RCTのデータと院内CPA症例も加えて検討した.その結果,3件のRCTと4件の非RCTが抽出され,合計7件の研究が対象となった.3)結果リドカインと比較したアミオダロンの効果は,生存入院率(主解析OR 0.86~1.23,p=0.40),生存退院率(主解析OR 0.87~1.30,p=0.56;二次解析OR 0.86~1.27, p=0.67)ともに有意差は認められなかった.プラセボと両薬剤を比較した場合の生存入院率は,アミオダロン(主解析OR 1.12~1.54, p 0.0001;二次解析OR 1.07~1.45, p 0.005),リドカイン(二次解析OR 1.14~1.58, p=0.0005)といずれもプラセボより効果が高かった.一方,生存退院率は,アミオダロン(主解析OR 0.98~1.44, p=0.08;二次解析OR 0.92~1.33, p=0.28),リドカイン(二次解析OR0.97~1.45, p=0.10)と,両薬剤ともにプラセボ群と差はなかった.4)結論アミオダロンとリドカインは,プラセボと比較して生存入院を等しく改善するものの,いずれも長期予後を改善しなかった.Ⅴ 日本の診療報酬(DPC)データベースを用いたアミオダロンの有効性評価1 Amiodarone Compared with Lidocainefor Out-Of-Hospital Cardiac Arrest withRefractory Ventricular Fibrillation onHospital Arrival:a Nationwide DatabaseStudy19)1)目的病着時VF/VTによる心停止患者に対して,アミオダロンがリドカインより優れているという仮説を検討する.