カレントテラピー 35-10 サンプル page 7/32
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カレントテラピー 35-10 サンプル
10 Current Therapy 2017 Vol.35 No.10918管疾患,糖尿病および精神疾患の5疾病,救急医療,災害時における医療,へき地の医療,周産期医療および小児医療の5事業に加え,居宅等における医療(在宅医療)を医療計画に定め,医療提供体制整備を行うとともに,2018年度からの第7次医療計画と介護支援(事業)計画の同時開始にあたっては,相互の計画における整合性を図ることとしている4).本稿では,地域包括ケアシステムにおける在宅医療について,その目的と役割について医療計画を中心に概説する.Ⅱ 在宅医療の役割と医療計画在宅医療は,住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるよう,入院医療や外来医療,介護,福祉サービス等と相互に補完しあいながら,患者の日常生活を支える医療であり,地域包括ケアシステムの不可欠の構成要素である.近年の在宅医療の動向として,訪問診療(患者宅に計画的,定期的に訪問し診療を行うもの)を受ける患者数は大幅に増加しているが,往診(患者の要請に応じ,都度,患者宅を訪問し診療を行うもの)を受ける患者数は横ばいである.実際に訪問診療を受ける患者の95%以上は65歳以上で,特に75歳以上が全体の約90%を占めている状況である(図4).また,緊急時の連絡体制および24時間対応体制等を確保し在宅医療を行う医療機関である在宅療養支援診療所・病院(在支診・在支病)の数も増加傾向にある.在宅医療サービス提供体制に着目してみると,訪問診療や往診について,在支診以外の一般診療所でも相当数行っているのが現状である.一方で,サービス提供量については,在支診によって訪問診療数全体の9割弱が提供されているが,往診や在宅看取りについては,一般診療所によっても一定数提供されていることがわかる(図5).このようなことからも,在宅医療は在支診・在支病のみで提供するのではなく,一般診療所も含め,地域■「自宅で療養できない」と回答した者について 自宅療養を可能にする条件(複数回答)54.1%25.9%3.4%14.0%2.6%自宅療養できる自宅療養できない療養の必要がないわからない無回答5.712.019.921.423.624.625.025.528.435.7入浴や食事などの介護が受けられるサービス41.8家族の協力療養に必要な用具(車いす・ベッドなど)療養のための指導(服薬・リハビリ・指導など)医師・看護師などの定期的な訪問緊急時の病院や診療所への連絡体制その他通院手段の確保療養のための改築(手すりの設置など)どの条件が整えばいいのかわからない無回答0 5 10 15 20 25 30 35 40 45(%)図3 退院の許可が出た場合の入院患者の自宅療養の見通し(入院患者に対する質問,n= 53 , 298)〔厚生労働省:平成26 年受療行動調査.2014 より引用〕