カレントテラピー 35-10 サンプル

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Current Therapy 2017 Vol.35 No.10 9917みがない病気になった場合,どこで最期を迎えたいかについて質問してみると,「自宅」が54.6%と最も多く,次いで「病院などの医療施設」が27.7%となっている(図2).また,入院患者の退院許可が出た場合の自宅療養の見通しをみると,「自宅で療養できる」との回答は54.1%である一方で,「自宅で療養できない」との回答も25.9%にのぼっている.さらに,自宅療養を可能にする条件をみると,「入浴や食事などの介護が受けられるサービス」が41.8%と最も高く,次いで,「家族の協力」が35. 7%,「療養に必要な用具」が28.4%となっており,医療そのものに対する不安より介護や周辺環境によることが影響することが示唆される(図3).今後,在宅医療や介護の需要は益々増加することが予想され,将来を見据えた医療・介護提供体制の充実が重要である.そこで,厚生労働省は,2014年(2016年12月一部改正)に,地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(医療介護総合確保推進法)を制定し,医療・介護サービスを一体的に提供するための制度改革を推進してきている3).このなかで,地域包括ケアシステムとは,「地域の実情に応じて,高齢者が,可能な限り,住み慣れた地域でその有する能力に応じた自立した日常生活を営むことができるよう,医療,介護,介護予防,住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制」とされた.医療については,地域医療構想で病院の病床機能の分化・連携を進め,入院から在宅への流れのなかで在宅医療の充実を図ることが重要としている.また,がん,脳卒中,心筋梗塞等の心血実績将来推計67万人(1966年)129万人(2015年)167万人1,800 (2040年)1965年1970年1975年1980年1985年1990年1995年2000年2005年2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年2045年2050年2055年2060年2065年(千人)1,6001,4001,2001,0008006004002000図1死亡数の推移と将来推計1966 年の67万人/年を最小に死亡数は増加傾向.今後も年間の死亡数は増加傾向を示すことが予想され,2040年には167万人/年と推計.〔2010年以前は厚生労働省「人口動態統計」による出生数及び死亡数(いずれも日本人),2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果より引用〕自宅,54.6%病院などの医療施設,27.7%その他,1.1%0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%子どもの家,0.7%わからない,6.9%兄弟姉妹など親族の家,0.4%高齢者向けのケア付き住宅,4.1%特別養護老人ホームなどの福祉施設,4.5%■治る見込みがない病気になった場合,どこで最期を迎えたいか(n=1,919人)図2人生の最終段階について─最期を迎えたい場所─最期を迎えたい場所について,「自宅」が54 . 6%で最も高く,「病院などの医療施設」が27.7%,「特別養護老人ホームなどの福祉施設」は4.5%〔内閣府:平成24年度 高齢者の健康に関する意識調査.2012より引用〕