カレントテラピー 35-1 サンプル page 7/32
このページは カレントテラピー 35-1 サンプル の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
カレントテラピー 35-1 サンプル
10 Current Therapy 2017 Vol.35 No.110尿病患者を追跡するthe Diabetes Incidence Study inSwedenの2つのコホートからなる.中央値20年(最長30年間)の観察期間中に末期腎不全に至ったのは127人(1.1%)であった.一方,当センターのOtaniらは,当センター通院中の30歳未満発症1型糖尿病患者を対象とした観察研究を行い,末期腎不全の発症率を1961~1984年に糖尿病を発症した529人と1985~1999 年に発症した485 人で比較した9).平均観察期間および末期腎不全を発症した人はそれぞれ22.7±10.1年,60人および15.6±5.6年,6人であり,1985~1999年で1型糖尿病を発症した群で有意に末期腎不全の発症率は低値であった(p<0.001 by log-ranktest,図3).Ⅴ 心血管病発症に対する腎症進展の影響腎症進展抑制の目的は末期腎不全の発症阻止のみであろうか.腎症の進展とともに死亡率が増加し,その割合は腎症進展率より高率であることが知られている(図2)5).心血管疾患のリスクを有する55歳以上の2型糖尿病患者11,140人を対象とした,Actionin Diabetes and Vascular Disease:Preterax andDiamicron Modified Release Controlled Evaluation768503 (53%)(35%)105(7.3%)35(2.4%)35(2.4%)東京女子医科大学糖尿病センター1999年初診患者( n =1,446人)5,152(58%)2,812(32%)657(7.4%)242(2.6%)34(0.4%)Japan Diabetes Clinical DataManagement Study Group(JDDM 10, n = 8,897)腎症前期早期腎症期顕性腎症期腎不全期透析療法期図1日本人糖尿病患者における腎症病期分布〔参考文献3),4)より引用改変〕0.1%(0.0% to 0.1%)0.3%(0.1% to 0.4%)0.1%(0.1% to 0.2%)Elevated plasma creatinine orRenal replacement therapy2.3%(1.5% to 3.0%)Macroalbuminuria2.8%(2.5% to 3.2%)MicroalbuminuriaDEATH2.0%(1.9% to 2.2%)1.4%(1.3% to 1.5%)3.0%(2.6% to 3.4%)4.6%(3.6% to 5.7%)19.2%(14.0% to 24.4%)No nephropathy図2年間あたりの糖尿病性腎症の進展率および死亡率〔参考文献5)より引用〕