カレントテラピー 34-6 サンプル page 18/30
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カレントテラピー 34-6 サンプル
74 Current Therapy 2016 Vol.34 No.6584ルギー関連食品の表示法が変更になったことなどが挙げられる5).食品表示の重要性は,生鮮食品を自宅で加工して食べている時代にはほとんど必要なかったが,食品の定義が広がり,安全面,衛生面は当然ながら,健康保持のための生活習慣病予防だけではなく,罹患した後の食生活においても当然有効に使い,生活の質を上げ,日々の健康管理に役立てたいと誰しもが考える時代になったといえるだろう.Ⅲ 糖尿病患者の利用現状健康食品を巡る法体制が変化していくなかで,対象者は生活習慣病予防から一歩踏みこんだ,生活習慣病罹患者に広がりをみせている,その背景から考えてみる.特に糖尿病患者は,2012年(平成24年)糖尿病が強く疑われるもの〔HbA1c 6.1%(NGSP)以上または質問票で現在糖尿病の治療を受けていると答えたもの〕は約950万人,糖尿病の可能性が否定できないもの〔HbA1c 5.6~6.1%未満(NGSP)で糖尿病が強く疑われるもの以外のもの〕は約1,100万人合わせて2,050万人である.2014年(平成26年)の国民健康・栄養調査では,男性の15.5%,女性の9.8%が糖尿病有病者〔HbA1c 6.5%(NGSP)以上治療を受けているもの〕と報告されている.今後の対策は日本の医療状況のなかでは,合併症の予防を考えるとこれからも治療の継続が重要とされている.2013年(平成25年)の全透析導入者38,024人に関しては,糖尿病性腎症は,原因疾患として43.8%に達している.また視覚障害に関しても原疾患が糖尿病であるものが1,459人新規に認定されている.糖尿病は,その他癌や動脈硬化性疾患の危険因子であり,インスリン抵抗性や血圧の上昇,脂質異常症などメタボリックシンドロームを併発していることが多い.そのために血糖調整関連薬剤や降圧剤,血中脂質改善薬などの服薬が適応となっている場合が多い.さらにインスリン注射の処方なども治療として行われている.成人に多い2型糖尿病の例を考えてみると,前糖尿病状態,いわゆる耐糖能異常状態の場合や糖尿病と診断された初期であれば,基礎インスリン分泌はある程度保たれていることが多く,食後の血糖値上昇を抑えるための食事療法を強化することが推奨されるであろう.これは,食後の血糖値を安定させ,合併症予防を目的とした食事療法にあたる.またすでに合併症を併発した場合には,QOLをあげるために更なる症状の重症化を防ぐことが目的となる.高血糖状態が続き,合併症が出てきた場合は,合併症の程度や動脈硬化など他の疾病要因を考慮して,食事療法の方針を決めていかなくてはならない.特に,最近は糖尿病の治療薬の選択が広がっているために,選択された治療薬の特性と食事療法上の考慮すべき点が薬ごとに違ってきている.さらに,そのため合併症出現後の食事療法はその後のQOLを左右する重要な鍵を握っている.一方,国民の高齢化は進んでおり,65歳以上の高齢者は人口の25%以上となって特別用途食品病者用食品(許可基準型)低たんぱく質食品アレルゲン除去食品無乳糖食品総合栄養食品病者用食品(個別評価型)妊産婦,授乳婦用粉乳乳児用調整粉乳えん下困難者用品特定保健用食品(個別評価型) 図2特別用途食品と特定保健用食品の関係