カレントテラピー 34-5 サンプル

カレントテラピー 34-5 サンプル page 7/34

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10 Current Therapy 2016 Vol.34 No.5420設の治療法の開発状況により差異があるものと考えられる.Ⅳ 陽子線治療の適応の考え方臨床的には,陽子線治療の適応はX線治療の適応と同じである.しかし,大きな設備投資や治療コストの面から,高度化したX線治療に勝るだけの効果の増強が見込めるか,または長期的な副作用の低減が可能である領域に,陽子線治療のよい適応があることになる.比較的高頻度に利用されてきた疾患として,小児・若年者の腫瘍,頭蓋底腫瘍,鼻・副鼻腔腫瘍(メラノーマなどの非扁平上皮癌),眼腫瘍,骨軟部腫瘍があり,これらの希少疾患については,多くの研究者が有用性を認めている.本邦ではコモンキャンサーである肝癌については,筑波大学を中心に多くの研究発表が認められ,欧米では高い評価がなされている.一方で,早期肺癌や前立腺癌に対しても陽子線治療が利用され良好な成績が発表されているが,定位放射線治療や強度変調照射法(intensity modulatedradiation therapy:IMRT)などの高精度X線治療とのすみ分けが問題となる.05001,0001,5002,0002,5003,0003,5004,0004,5005,0001990 1995 2000 2005 2010 2014粒子線全体陽子線重粒子線図3日本の粒子線治療患者数の年次別推移(日本粒子線臨床研究会調査)前立腺癌 29%肝癌 15%頭頸部癌 13%肺癌 11%骨軟部腫瘍7%膵臓癌 4%消化管 4%直腸癌 3%婦人科癌 2%中枢神経 2% 他 10%図4 日本の粒子線治療患者の疾患別内訳(日本粒子線臨床研究会調査)原発性肝癌32%前立腺癌12%肺癌 11.3%転移性腫瘍10.6%食道癌 6.2%小児癌 5.8%頭頸部癌 5.3%脳腫瘍 3.5%膀胱癌 3.1%膵臓癌 2.2%頭蓋底腫瘍 1.4%脳動静脈奇形 1.0%縦隔0.6%直腸癌 0.6%腎癌 0.4%その他 3.6%図5 筑波大学の粒子線治療患者の疾患別内訳