カレントテラピー 34-5 サンプル page 28/34
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カレントテラピー 34-5 サンプル
Current Therapy 2016 Vol.34 No.5 79医療技術解説489置座標を算出し,治療計画時の金属マーカの三次元座標を基に,マーカを使用した腫瘍照合による患者セットアップを行う.その後,動体追跡装置を用いて,呼吸によって動く金属マーカの追跡を開始する.リアルタイムに算出される金属マーカの三次元位置が,治療計画時の金属マーカの三次元座標を基に設定された同期箱の中に入ったときのみに放射線が照射され,治療が行われる.また,透視画像により,リアルタイムに腫瘍の動きを観察しながら治療が実施されるため,腫瘍の移動軌跡の変化,腫瘍の呼吸性移動量の変化,および呼吸位相の変化を即座に検出することができ,患者の再セットアップを行うことで,治療中の体内移動の変化に適応することができる15).Ⅵ 動体ファントムを用いた画像誘導・動体追跡照射の精度検証動体ファントムを用いて画像誘導・動体追跡照射の精度検証を行った.正弦波形(振幅:2cm,周期:2秒)を入力信号として動体ファントムを駆動させ,これに対して画像誘導・動体追跡照射を行った.図5に,画像誘導・動体追跡照射の線量分布の精度検証について示す.(a)は,呼吸性移動の影響を受けた線量分布で,線量分布が動きの影響を受けて,治療計画の放射線量を照射できていない(線量分布が不明瞭)ことがわかる.(b)は,ファントムを駆動せずに,ファントムの動きの影響を受けていない線量治療計画時のマーカ位置リアルタイム計測中のマーカBeam off Beam on同期箱内に計測中のマーカが入った時に照射腫瘍腫瘍Tumor Tumorリアルタイム計測中のマーカ呼吸性移動Tumor同期箱Beam on治療計画時のマーカ位置同期箱同期箱図4画像誘導・動体追跡照射の原理(a) (b) (c)図5動体ファントムを用いた画像誘導・動体追跡照射の線量分布の精度検証(a):ファントム駆動あり,動体追跡照射なし,(b):ファントム駆動なし,動体追跡照射なし,(c):ファントム駆動あり,動体追跡照射あり.