カレントテラピー 34-5 サンプル page 13/34
このページは カレントテラピー 34-5 サンプル の電子ブックに掲載されている13ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
カレントテラピー 34-5 サンプル
60 Current Therapy 2016 Vol.34 No.5470照射門に分担をさせ,あえて不都合な経路を避けることが可能となる(図2).IMPTは,臨床上必要となる要素を実現するための自由度がスキャニング法を用いた通常の臨床で使われているSFO法と比較しより高度なものとなる.さらに,腫瘍への線量集中性および有害事象を避けるための線量制約をより高い次元で実現可能な点においても優れており,今後の臨床での普及が期待されている.Ⅲ 動体追跡技術放射線治療に際しては,照射室内において照射すべき標的容積を照射装置座標系とどのように関係づけ精度を保つかが重要である.患者を寝台上で治療位置にセットアップした後に撮像したX線画像と治療計画時に事前に作成した画像を比較することで,治療計画時と同じ位置関係が再現されているとして治療が行われている.位置を精密に再現する方法として,皮膚面に接して体位を保持する固定具が頭部,頭頸部領域において広く用いられている.骨構造が多く軟部組織が骨に支持され形状変化の起こりにくい頭部,頸部領域では,体外の形態が同一になるようにすることで,体内標的の空間定位は高い精度で達成される.一方,胸部,腹部,骨盤領域では,呼吸による動き,腸管内容物の変化,腸管蠕動,膀胱図1前立腺Multi Field Optimization:MFO法の治療計画の例SFOTumorBeam 2 Beam 2Normal tissueBeam 1 Beam 1MFO(IMPT)図2強度変調陽子線治療後方および側方だけでなく,標的臓器手前側の臓器の副作用を避けることが可能.