カレントテラピー　34-4　サンプル page 15/30

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カレントテラピー　34-4　サンプル

24 Current Therapy 2016 Vol.34 No.4336の画像とコンピュータによる三次元情報の再構築が可能な顕微鏡の一種であり，非侵襲的に組織の観察が可能である．病理検査並の解像度で細胞レベルでの観察が可能となるが3），15）～17），大型の機材・多大な費用・熟練などが必要となる点が問題であり，汎用化には至っていない3）．ダーモスコピーと併用することにより，診断の精度が上がるとされる16），17）．C）アプリケーション・画像検査機器などスマートフォンで使用される多くのアプリケーション（mobile smartphone applications）が開発されている3），14），18）．現時点では多くは一般の人向けの教育用のものが中心であり18），診断のためのツールとしての信頼性は低い3），14）．また，新しい非侵襲的な画像検査技術として，SIAscopy, MoleMate, MelaFind, Nevisenseなどの検査機器，診断システムや診断アルゴリズムが研究段階にあり，有用性が示されてきている3），14）．Ⅵ おわりにMMは早期に見つかり治療されれば予後は決して悪くない．患者自身による色素性病変のセルフチェック，家庭医への定期的通院やスクリーニング検査がMMの早期発見につながるという報告は多い19），20）．MMの早期病変を認識するには病変の経時的変化と個体内での他病変との相違に着目することが重要であると思われる．色素性病変の経過観察に，デジタルカメラやダーモスコピーによる病変の撮影・記録によるモニタリング（monitoring）を行うことにより，病変の変化を認識できる．病変にMMの疑いがもたれるのは多くは患者自身や家族などによる．MMを早期に発見・診断するためには，これまで以上にMMに関して一般の方や医師などへのさらなる啓蒙活動が望まれる．参考文献1）斎田俊明：悪性黒色腫．1冊でわかる皮膚がん．（斎田俊明編），pp220-231，文光堂，東京, 20112）外川八英：母斑，メラノーマ．Derma 237：47-56, 20153）Mayer JE, Swetter SM, Fu T, et al：Screening, early detection,education, and trends for melanoma：current status（2007-2013）and future directions：PartⅠ. Epidemiology,high-risk groups, clinical strategies, and diagnostic technology.J Am Acad Dermatol 71：599. e1-599.e12, 20144）Abbasi NR, Shaw HM, Rigel DS, et al：Early diagnosis ofcutaneous melanoma：revisiting the ABCD criteria. JAMA292：2771-2776, 20045）Tsao H, Olazagasti JM, Cordoro KM, et al；American Academyof Dermatology Ad Hoc Task Force for the ABCDEs ofMelanoma：Early detection of melanoma：reviewing theABCDEs. J Am Acad Dermatol 72：717-723, 20156）Higgins HW 2nd, Lee KC, Galan A, et al：Melanoma in situ：PartⅠ. Epidemiology, screening, and clinical features. J AmAcad Dermatol 73：181-190, 20157）Soltani-Arabshahi R, Sweeney C, Jones B, et al：Predictivevalue of biopsy specimens suspicious for melanoma：supportfor 6-mm criterion in the ABCD rule. J Am Acad Dermatol72：412-418, 20158）Goldsmith SM：A unifying approach to the clinical diagnosisof melanoma including “D” for “Dark” in the ABCDE criteria.Dermatol Pract Concept 4：75-78, 20149）Walter FM, Prevost AT, Vasconcelos J, et al：Using thea b図6表皮内末端黒子型黒色腫のダーモスコピー所見a：右踵部に，6mm大の不整型の褐色斑を認める．b：ダーモスコピーでは，左半分が皮丘優位の色素斑として認識される．