カレントテラピー　34-3　サンプル page 27/32

このページは カレントテラピー　34-3　サンプル の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要：
カレントテラピー　34-3　サンプル

Current Therapy 2016 Vol.34 No.3 85治療薬解説291を頭の隅に置いた診療を行うようにしたい．メマンチンは，腎機能の推移をみながら維持量を調整していく必要がある．また，長期投与による過鎮静にも注意を払う必要がある．アルツハイマー型認知症は，進行に従って自発性の低下，意欲の減退，無為がより目立ってくる病気である．その自発性の低下などがメマンチンの服薬にてより増幅している可能性も推測される．メマンチンを減量することで患者さんに活発さが戻ってくることもあるのでメマンチンの長期使用に際しては，患者さんの行動や感情，言動を注意深く観察しながら用量調整を行っていきたい．Ⅹ 抗認知症薬をいつ中止するか？抗血小板薬や降圧剤などをいつ中止するのかに関しての議論をみることは少ないが，抗認知症薬で中止の時期をしばしば尋ねられるのは抗認知症薬に対する信頼性の低さに起因していることかもしれない．実臨床で抗認知症薬をどの時点で中止するのかに関して定説はない．筆者は，認知症が進行した結果として経口摂取ができなくなってきた時期とベッド上の生活に移行した場合には抗認知症薬を中止してもよいのではないかと考えている．いずれの場合も抗認知症薬をはじめとする薬物療法よりも介護，看護を中心とした非薬物療法がより重要なことと考えるからである．参考文献1）日本神経学会監：認知症疾患治療ガイドライン 2010コンパクト版2012．医学書院，東京, 20122）Birks J：Cholinesterase inhibitors for Alzheimer’s disease.Cochrane Database Syst Rev 1：CD005593, 20063）川畑信也著：臨床医へ贈る 抗認知症薬・向精神薬の使い方 こうすれば上手に使いこなすことができる．中外医学社，東京,20124）川畑信也著：事例で解決！もう迷わない認知症診断．南山堂，東京, 20135）川畑信也著：事例で解決！もう迷わない抗認知症薬・向精神薬のつかいかた．南山堂，東京, 20146）川畑信也著：認知症診療に役立つ77のQ＆A．南山堂，東京,20150255075100洗濯移動服薬金銭■ 軽微（n＝16）■ 軽度（n＝31）■ 中等度（n＝71）■ 高度（n＝8）■ 軽微（n＝6）■ 軽度（n＝21）■ 中等度（n＝25）■ 高度（n＝5）（％） 女性 n＝126 （％） 男性 n＝570255075100電話買い物移動服薬金銭図4初診アルツハイマー型認知症の日常生活動作（ADL）障害重症度別にみたIADLからの検討スコア1をとった割合．