カレントテラピー 34-2 サンプル page 14/28
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カレントテラピー 34-2 サンプル
Current Therapy 2016 Vol.34 No.2 53心室頻拍アブレーションのフロントライン157マッピングシステムを用いたVTアブレーションの治療成績と比較したところ,本手法では25±10カ月の観察期間でVTの非イベント率が80%を超え,有意に治療成績の向上がみられた(81% vs. 53%, p=0.006)(図2).4 High-Density Substrate Mapping通常のサブストレイトマップに使用されている1.5mV未満の電位波高を低電位領域とする設定では,時に低電位領域が広範囲となってしまうことがある.当院では,0.6mV以上の電位波高領域を正常心筋領域に設定し,電位波高が0.1mV未満,かつ10 V,2msecの最大ペーシング刺激においても補足されない心筋領域をScar,0.1mV以上0.6 mV未満の電位波高領域を低電位領域としてサブストレイトマップを作成し,低電位領域内を詳細にマッピングしScar周右前斜位左前斜位線状焼灼部位頻拍想定回路C カテーテルアブレーション左前斜位通常のvoltage criteria 左前斜位0.5<低電位領域<1.5mV右前斜位AB当院のvoltage criteria0.1<低電位領域<0.6mV図3 前側壁心筋梗塞例における洞調律時左室内サブストレイトマッピング(74歳,男性.すべて同一症例)A:通常の心室波高設定を用いた左室心内膜側サブストレイトマッピング(瘢痕領域を0.5mV未満,低電位領域を0.5mV以上1.5mV未満に設定).前壁および前壁中隔を中心とした広範囲に低電位領域を認める.B:当院での心室波高設定を用いた左室心内膜側サブストレイトマッピング(低電位領域を0.1mV以上0.6mV未満に設定).左室前側壁の比較的限局された領域に低電位領域が確認された.C:カテーテルアブレーション.当院での心室波高設定を用いた左室心内膜側サブストレイトマッピングを参考に,ペースマッピングおよびアクティベーションマッピングから頻拍回路を想定し(矢印),回路を横断するように洞調律下に3本の線状焼灼を行った.焼灼後,頻拍は誘発不能となり,1年半の経過で頻拍の再発を認めていない.Numberat risk 56140 28 23 18 1190%VT非再発率0 1 2 3 4 5.8.6.4.20経過(年)図4 当院での虚血性心疾患合併VTに対する初回アブレーション治療成績当院の手法(High-Density Substrate Mapping)を用いた初回VTアブレーション治療成績であるが,2年後のVT非再発率は90%と良好な成績が得られている.