カレントテラピー 34-12 サンプル

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Current Therapy 2016 Vol.34 No.12 21診 断1155を追加・併用することもできるが,残尿量増加や尿閉などのリスクがあるため,専門医への紹介が望ましい.なお,α1遮断薬およびPDE5阻害薬は,前立腺肥大症に対する保険適用は有するが,OABに対する保険適用を有しない.Ⅲ 専門医を対象としたOAB診療アルゴリズム1 対象患者本アルゴリズムは,OABとして一般医家での初期診療を受けた後に,専門医へ紹介されてきた成人女性および成人男性を対象とする専門医向けのアルゴリズム(図2)2)であり,未成年は対象外である.2 評価1)基本評価①②一般医家を対象としたアルゴリズムと同様に,基本評価①を再度行い再評価する.基本評価②は,症例により選択しながら行う.2)専門的評価骨盤底の理学的評価(可動性・脱出),尿路・骨盤底の画像診断,尿流動態検査(尿流測定,膀胱内圧測定,内圧尿流検査),尿細胞診,膀胱鏡を,症例により選択して行う.この段階でOABと診断できる患者が治療対象となる.3 OABよりも原疾患の治療を優先すべきものOAB症状をきたす泌尿器科疾患はさまざまなものが存在する.前立腺肥大症や尿道狭窄による高度膀胱出口部閉塞,特発性排尿筋低活動,再発性尿路感初期診療の後で,専門医への紹介となった症例基本評価①②,専門的評価原疾患の治療を優先すべきもの患者教育・治療目標の設定過活動膀胱と診断できる行動療法±薬物療法行動療法±薬物療法男性(前立腺肥大症あり) 男性(前立腺肥大症なし),女性改善/有効治療継続効果不良改善/有効治療継続効果不良改善/有効治療継続効果不良前立腺肥大症に対する外科的治療難治性過活動膀胱改善/有効治療継続効果不良原疾患の治療難治性過活動膀胱に対する外科的治療行動療法±薬物療法±神経変調療法±ボツリヌス毒素治療図2専門医を対象としたOAB 診療アルゴリズム〔参考文献2)より引用改編〕