カレントテラピー 34-12 サンプル page 15/36
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カレントテラピー 34-12 サンプル
Current Therapy 2016 Vol.34 No.12 23診 断1157(3)仙髄神経電気刺激療法体内電気刺激装置を仙骨孔(通常S3)に埋め込み,持続的に電気刺激する方法である.侵襲的であるが,難治性切迫性尿失禁に対する長期有効性が報告されている.本邦では未承認である.(4)経皮的脛骨神経刺激療法低侵襲であり,大規模RCTを含めた有効性が報告されている.本邦では未承認である.2)ボツリヌス毒素治療法膀胱筋層内にボツリヌス毒素を直接注入する方法である.神経因性排尿筋過活動,特発性排尿筋過活動における,抗コリン薬抵抗性の切迫性尿失禁に対して,有効な治療法と考えられている.本邦では未承認である.神経変調療法のなかで最も侵襲的な仙髄神経電気刺激療法とは,併用すべきではない.3)外科的治療難治性非神経因性OABに対する外科的治療法としては,自家膀胱拡大術,腸管利用膀胱拡大術などがある.難治性OABに対する最も侵襲的かつ最終的な治療法であり,適応の選択はきわめて慎重に行う必要がある.Ⅳ おわりにOAB診療ガイドライン第2版における診療アルゴリズムについて,若干の解説を加え概説した.この10年の間に治療選択肢が増えたものの,特に難治性OABなどの治療法は確立したとは言えない.今後のさらなるエビデンスの蓄積,保険適用の拡大,新しい治療法の開発が期待される.また,当然のことながら下部尿路障害(症状)の病態は複雑であるため,個々の患者の治療方針の決定のためには,OAB診療ガイドラインのみならず,既刊の『男性下部尿路症状診療ガイドライン』3),『女性下部尿路症状診療ガイドライン』4),『前立腺肥大症診療ガイドライン』5)を併せて活用するとよい.参考文献1)日本排尿機能学会 過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会編:過活動膀胱診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング,20052)日本排尿機能学会 過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会編:過活動膀胱診療ガイドライン[第2版].リッチヒルメディカル,20153)日本排尿機能学会 男性下部尿路症状診療ガイドライン作成委員会編:男性下部尿路症状診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング, 20084)日本排尿機能学会 女性下部尿路症状診療ガイドライン作成委員会編:女性下部尿路症状診療ガイドライン.リッチヒルメディカル, 20135)日本泌尿器科学会 前立腺肥大症診療ガイドライン作成委員会編:前立腺肥大症診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング, 2011