カレントテラピー 34-10 サンプル

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Current Therapy 2016 Vol.34 No.10 83治療薬解説1019となることが多く,先のガイドラインで勧められている薬剤の選択が望まれる.一方,70歳以降で大腿骨近位部骨折を抑制する目的で選択すべき薬剤は,閉経後骨粗鬆症においてそのエビデンスを有するビスホスホネート製剤,デノスマブといえる.50~70歳までの例に対してもこれらの薬剤は有用であるが,長期使用に伴うまれではあるものの顎骨壊死,非定型大腿骨骨折などの有害事象が指摘されており,椎体骨折を抑制する確実なエビデンスを有するSERM,活性型ビタミンD製剤であるエルデカルシトールを選択することが勧められる.テリパラチドは強力に椎体骨折を抑制できるが,高価で骨折の危険性の高い場合のみ使用可能で投与期間は1年半~2年に限られるとともに,大腿骨近位部骨折に関する明確な抑制効果は確認されていない.テリパラチド使用後は骨密度に関するデータしかないが,ビスホスホネート,デノスマブ,SERMへの変更の有用性が示されている.ほとんどすべての骨粗鬆症治療薬の臨床試験にお表4 ステロイド性骨粗鬆症に対する薬物療法の推奨度分類薬剤名推奨度* 剤型・用量ビスホスホネート製剤アレンドロン酸A 5 mg/日,35 mg/ 週経口,900μg/4 週点滴リセドロン酸A 2.5 mg/日,17.5 mg/ 週,75 mg/月経口エチドロン酸C 200 mg,400 mg,2 週間/3 カ月,間欠経口ミノドロン酸C 1 mg/日,50 mg/4 週経口イバンドロン酸B 1 mg/月静注活性型ビタミンD3製剤アルファカルシドールB 0.25μg,0.5μg,1μg/日経口カルシトリオールB 0.25μg,0.5μg/日経口エルデカルシトールC 0.5μg,0.75μg/日経口副甲状腺ホルモン製剤遺伝子組換えテリパラチドB 20μg/日皮下注テリパラチド酢酸塩C 56.5μg/ 週皮下注ビタミンK2製剤メナテトレノンC 45 mg/日経口SERM ラロキシフェンC 60 mg/日経口バゼドキシフェンC 20 mg/日経口抗RANKL抗体製剤デノスマブC 60 mg/6 カ月皮下注推奨度* A:第一選択薬として推奨する薬剤B:第一選択薬が禁忌などで使用できない,早期不耐用である,あるいは第一選択薬の効果が不十分であるときの代替薬として使用するC:現在のところ推奨するだけの有効性に関するデータが不足している〔参考文献2)より引用〕年齢椎体骨折SERM,エルデカルシトールビスホスホネートデノスマブテリパラチドカルシウム,ビタミンD大腿骨近位部骨折50 60 70 80 90骨折リスク治療薬図3各年齢,骨折種からみた治療薬の選択(筆者作成)