カレントテラピー 34-10 サンプル

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82 Current Therapy 2016 Vol.34 No.101018イン2014年改訂版』2)に示されている(表4).本ガイドラインでは,有効性の評価ではなく推奨度を示しており,より詳細にエビデンスが吟味されている.アレンドロン酸とリセドロン酸のみが椎体骨折に関する一次および二次予防効果が確定していることからA評価とされ,イバンドロン酸は一次予防効果が少数例の男性心臓移植例に関する無作為化比較対照試験(RCT)しかないためB評価,遺伝子組換えテリパラチドも一次予防効果が確認されていないことからB評価とされた.さらに,アルファカルシドールとカルシトリオールについては,複数のRCTではすべて対照薬(プラセボまたは天然型ビタミンD)に比し有意な椎体骨折抑制効果は認められていない.『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版』1)ではRCTで有意な結果が示されず,統合解析(メタ解析)で有意な結果が示されているものはエビデンスとして採用していないが,『ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン2014年改訂版』では過去のRCTの結果を統合解析すると,対照薬に比し有意の椎体骨折抑制効果が認められたとする結果を採用して推奨度でB評価としている.このように,各ガイドラインによって薬剤の評価方法が異なることにも留意する必要がある.最終的に推奨度Aの薬剤を第一選択薬,推奨度Bの薬剤を代替治療薬とし,代替治療薬は,第一選択薬が禁忌などで使用できない場合や効果が不十分であるときの代替薬として使用するとしている.Ⅴ 年齢,骨折種からみた薬剤選択骨粗鬆症に伴う骨折のうち,椎体骨折と大腿骨近位部骨折はさらなる骨折を起こすリスクが高く,日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)に及ぼす影響も強く,年齢と無関係に生命予後を悪化させることから骨粗鬆症治療に際して予防すべき重要な骨折である.椎体骨折は全年齢で最も頻度が高く,大腿骨近位部骨折は70歳以降に発生が増加する.50歳までは主にステロイド性骨粗鬆症が治療対象薬剤原発性骨粗鬆症アンドロゲン遮断療法ステロイド性骨粗鬆症骨密度椎体骨折非椎体骨折骨密度椎体骨折非椎体骨折骨密度椎体骨折非椎体骨折ビスホスホネートアレンドロン酸○ ○ ○ ○リセドロン酸○ ○イバンドロン酸○パミドロン酸○ゾレドロン酸○ ○ ○ ○ ○その他デノスマブ○ ○ ○ストロンチウム○遺伝子組換えテリパラチド○ ○ ○ ○表3男性骨粗鬆症に対する薬剤のエビデンス〔参考文献3)より引用〕PLA ALF PTH IBA STR TER20 RIS ALE RIS+TER20 ZOLWorst BMD in LS BestALF PLA RIS+TER20 IBA ALE STR PTH RIS TER40 ZOL TER20Worst Fracture Rate Best図2男性骨粗鬆症における腰椎骨密度および骨折率に対する薬剤のランキングALE:アレンドロネート,PLA:プラセボ,ALF:アルファカルシドール,RIS:リセドロネート,IBA:イバンドロネート,ZOL:ゾレドロン酸,STR:ストロンチウム,TER:テリパラチド,PTH:副甲状腺ホルモン〔参考文献4)より引用〕