カレントテラピー 34-10 サンプル

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74 Current Therapy 2016 Vol.34 No.101010後も高齢化率が上昇し続け,2060年には65歳以上の人口割合が40%に達する見込みである.要介護となる高齢者も増加することが予想されるが,歩行機能を可能な限り維持することが要介護を予防することにつながるといえる.Ⅱ 歩行障害の原因歩行障害は骨・関節疾患,筋疾患,神経疾患,循環器疾患,呼吸器疾患など実にさまざまな原因で生じ得る(表).また,歩行障害があると活動量が低下し,結果として廃用症候群を生じ,歩行障害をさらに悪化させる可能性がある(図1)ため,その悪循環に陥らないことが重要である.歩行障害の原因によってその悪循環を断ち切る方法は異なるが,骨・関節疾患による歩行障害への介入は手術や疼痛管理が主体となる.また,近年,ロコモティブシンドロームを予防するための筋トレである「ロコトレ」が地域の取り組みとして行われている.関節の変形や疼痛は,後述する神経疾患や筋疾患による歩行障害に対する運動療法の際にも影響を及ぼす可能性があるため,手術や疼痛管理など骨・関節の治療が必要な場合には優先して行う必要があると考えられる.循環器疾患や呼吸器疾患によって生じる歩行障害は主に運動耐容能の低下が原因であり,それらへの介入方法は心臓リハビリテーションや呼吸リハビリテーションに譲る.本稿では以下,神経疾患や筋疾患によって生じる歩行障害に対するリハビリテーションについて述べる.Ⅲ 歩行リハビリテーションの変遷これまでの歩行障害に対するリハビリテーションはセラピスト介助下の平行棒内の歩行訓練や装具や補助具を使用した歩行訓練などが行われてきた.また,装具や補助具を使用しても安定した歩行の獲得表 歩行障害の原因病変部位原因疾患骨・関節骨折変形性関節症関節リウマチ関節炎腰部脊柱管狭窄症脳脳血管障害パーキンソン病関連疾患脊髄小脳変性症脳炎脳性麻痺水頭症脊髄脊髄損傷変形性脊椎症椎間板ヘルニア後縦靱帯骨化症脊髄血管障害脊髄腫瘍脊髄空洞症脊髄炎多発性硬化症家族性痙性対麻痺HTLV-1関連脊髄症末梢神経Guillain-Barre症候群慢性炎症性脱髄性多発神経炎糖尿病性末梢神経障害絞扼性神経障害シャルコー・マリー・トゥース病筋萎縮性側索硬化症脊髄性筋萎縮症筋肉多発筋炎・皮膚筋炎筋ジストロフィー先天性ミオパチー遠位型ミオパチー廃用性筋萎縮循環器心不全呼吸器呼吸不全血管閉塞性動脈硬化症歩行機能低下骨折転倒リスク増大廃用症候群筋力低下,関節拘縮,心肺機能低下,脳の活動低下,など活動量の低下臥床状態図1 歩行障害の悪循環