カレントテラピー 34-10 サンプル

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カレントテラピー 34-10 サンプル

34 Current Therapy 2016 Vol.34 No.10970をカットオフ値として,EWGSOPの診断アルゴリズムに従い,サルコペニアを定義した.運動テスト項目は,6m通常歩行速度,5回椅子立ち上がり時間,開眼片足立ち時間(上限60秒)を測定した.また問診調査にて「25~50歳の時に汗をかいたり,息がきれたりするほどのスポーツや運動をしていた」と回答した者を,中年期運動習慣ありと定義した.解析は性,年齢,体格指数調整済ロジスティック回帰分析,重回帰分析により検討した.1,000名(男性349名,女性651名)の対象者における特性を平均値(標準偏差)で示すと,年齢は男性75.7(5.9)歳,女性74.4(6.1)歳,体格指数は男性23.0(3.0)kg/m2,女性23.2(3.4)kg/m2,SMIは男性7.38(0.95)kg/m2,女性6.11(0.69)kg/m2,握力は男性35.6(7.1)kg,女性23.0(5.0)kg,通常歩行速度は男性1.08(0.27)m/s,女性1.03(0.28)m/sであった.対象者のうち,筋量減少者は男性133名,女性216名であった.EWGSOP診断基準によりサルコペニアと診断された者は,男性48名,女性81名で,サルコペニアの有病率は男性13.8%,女性12.4%であった.各指標別に検討すると,歩行速度が低値(≦0. 8m/s)であった者の年齢別有病率は図2の通りとなり,また握力が低値(男性<30 kg,女性<20 kg)であった者の年齢別有病率は図3の通りとなり,男女ともに年齢が高くなるにつれ有病率も急速に高値となる傾向がみられた.それに対して,SMIが低値(男性<7.0 kg/m2,女性< 5.8 kg/m2)であった者の有病率(図4)は,年齢とともに高くなる傾向がみられたものの,歩行速度や握力と比べると,その傾向がゆるやかであった.サルコペニアの65~69歳,70~74歳,75~79歳,80~84歳,85歳以上における年代別有病率(図5)はそれぞれ,男性1.6%,5.7%,17.8%,80604020065~69 70~74 75~79 80~84 85+(歳)年齢(%)男性女性図3 握力が低値の者の年齢別有病率(握力低値の定義:男性< 30 kg,女性< 20 kg)〔Osteoporos Int 25:1081 , 2014より引用〕604020065~69 70~74 75~79 80~84 85+(歳)年齢(%)男性女性図4 骨格筋量指標が低値の者の年齢別有病率(骨格筋量指標低値の定義:男性<7 . 0 kg/m2,女性< 5 . 8 kg/m2)〔Osteoporos Int 25:1081 , 2014より引用〕604020065~69 70~74 75~79 80~84 85+(歳)年齢(%)男性女性図5 サルコペニアの年齢別有病率(EWGSOP診断基準)〔Osteoporos Int 25:1081 , 2014より引用〕