カレントテラピー 34-1 サンプル

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Current Therapy 2016 Vol.34 No.1 11肥満症の病態と治療11両者の鑑別が問題になる.一方,食行動異常にも,ストレス食い,過食,偏食,早食いなどいくつかの型が知られる.いずれの場合にも,原発性肥満と同様に,肥満に起因ないし関連する健康障害が発症する可能性がある.しかし,原発性肥満とは異なり,その治療はまず主として原因疾患および行動異常の要因に対して行われることが原則である.Ⅶ 内臓脂肪蓄積の評価法現在すでに健康障害を有するか否かに関わらず,内臓脂肪面積が100cm2以上の場合,内臓脂肪型肥満であり,肥満症と診断される(図).内臓脂肪面積を正確に評価する検査法は確立していないが,日常臨床においてはその簡便さからウエスト周囲長が用いられる.標準的な測定法として,空腹時,立位で軽い吸気の終期に臍レベルで測定することなどの注意点が挙げられる.基準値として男性では85cm,女性では90cmが定められており,これが腹部CTの臍レベル断面で評価した内臓脂肪面積100cm2に相当する.腹部CTの臍レベルの断面に腎臓や腸骨が写り込んでいる場合や,臍が下垂している場合など,臍レベルの断面で内臓脂肪面積の評価が正確にできないことがある.その場合には,第4腰椎レベルでの断面を用いることにより,より正確な評価が可能になる.現在推奨されている腹部CTの撮影条件は,2000年当時に主流であったシングルスライスCTを念頭に置いたものである.現在では多くの施設でCT -AEC機能を搭表3 二次性肥満と食行動異常Ⅰ.二次性肥満1)内分泌性肥満①Cushing症候群②甲状腺機能低下症③偽性副甲状腺機能低下症④インスリノーマ⑤性腺機能低下症⑥Stein-Levelthal症候群2)遺伝性肥満①Bardet-Biedl症候群②Prader-Willi症候群3)視床下部性肥満①間脳腫瘍②Frolich症候群③Empty sella症候群4)薬物による肥満①向精神薬②副腎皮質ホルモンⅡ.食行動異常1) 食欲の認知性調節異常:間食・ストレス誘発性食行動2)食欲の代謝性調節異常:過食・夜間大食3)偏食・早食い・朝食の欠如二次性肥満:内分泌肥満遺伝性肥満健康障害なし視床下部性肥満健康障害あり肥満原発性肥満内臓脂肪面積≧100cm2耐糖能障害,脂質異常症,高血圧,高尿酸血症,冠動脈疾患,脳梗塞,脂肪肝,月経異常,肥満関連腎疾患整形外科的疾患(変形性関節症,腰痛症),睡眠時無呼吸症候群(SAS)高度肥満病因が不明病因が明白肥満(BMI≧25kg/m2)BMI≧35kg/m2(内臓脂肪面積≧100cm2を含む)内臓脂肪型肥満肥満症脂肪細胞の質的異常: 脂肪細胞の量的異常:図肥満症診断のフローチャート〔参考文献3)より引用改変〕