カレントテラピー 34-1 サンプル

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66 Current Therapy 2016 Vol.34 No.166とで,たっぷり野菜(200g程度)を摂ることができるので,満腹感も得られやすい.また,減量に成功することで味覚も改善する9).「つい食べてしまう」と言う人には食行動因子に注目した食事指導を行う.肥満でない人は,空腹になってから食べ始め,満腹になったら食べ終わる.それに対し,肥満者は誘惑に弱い.美味しそうな刺激があると食べ始めるが,満腹になっても食べ終わらない.皿のなかにものがなくなるまで食べ続ける(図5).まずは,余分なものを食べない習慣をつけるために,食べたくなる刺激を減らす工夫を患者と一緒に考える.目の前にお菓子を置かない,いい匂いがして誘惑される店の前は通らず,回り道をして帰る.また,家の中に食べ物をたくさん置いておかないことも大切である.そのためには,まとめ買いをしないくせをつける.空腹時に買い物をしないなどの工夫ができるとよい.バイキングでお金を払った以上に食べる傾向がある人は,そういった店を予約しないことが先決である.旅行で体重が増える人は,動き回る旅行を計画したり,量より質のよい夕食をチョイスしたりする作戦を立てるのもよい(表).Ⅲ 運動食事療法に運動療法を組み合わせることで減量効果が高まる.減量や糖尿病予防のためには,週当たり150分(30分を週に5回,50分を週に3回)以上の有酸素運動療法が勧められる.一方で「運動する時間がない」という人には,10分の運動を3回に分けて合計30分となる細切れ運動10)を勧める.最近では,「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」を数分間ずつ交互に繰り返すウォーキング法,インターバル速歩11)~13)なども運動療法のひとつとして用いられている.膝痛や腰痛など整形外科的疾患を伴う場合には,大腿四頭筋トレーニングやスクワットなどから始めるとよい.筋トレは,週3回が目標である.Ⅳ 減量期と維持期:リバウンド予防肥満症治療のゴールは,減量した体重を長期に維持することにある14)~16).当初の減量目標は肥満体重の5~10%に設定されることが多い.治療開始時に,図4野菜たっぷりヘルシープレートの活用空腹満腹正常者肥満者刺激空腹満腹刺激終了図5 肥満者の心理