カレントテラピー 34-1 サンプル

カレントテラピー 34-1 サンプル page 10/34

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 34-1 サンプル の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 34-1 サンプル

Current Therapy 2016 Vol.34 No.1 13肥満症の病態と治療13言の全文を以下に示す.〈名古屋宣言2015〉肥満症(obesity disease)について,国際的な概念を提唱する.肥満症とは,肥満に起因ないしは関連する健康障害を合併し,医学的に減量を必要とする病態をいい,疾患として取り扱う.すなわち,肥満の中から肥満症を取り出すことにより,健康障害を伴わない肥満と,健康障害を伴う肥満症とを区別する.健康障害を伴う肥満症は,減量によって合併している健康障害の改善が期待できることから,治療医学の適応となる.健康障害を伴わない肥満も,将来起こり得る様々な疾病のリスクファクターとなるため,予防医学の対象となる.「名古屋宣言2015」にあるように,日常診療においても,肥満のなかから減量治療を必要とする肥満症患者を適切に抽出する作業がまず大切である.肥満症の概念の世界的な普及によって,肥満に関連したさまざまな健康障害が世界的に減少していくことが期待される.参考文献1)厚生労働省:平成25年(2013年)国民健康・栄養調査結果の概要(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000067890.html)2)日本肥満学会編:新しい肥満の判定と肥満症の診断基準.肥満研究 6:18-28, 20003)日本肥満学会編:肥満症診断基準2011.肥満研究 17(増刊号):20114)Goulding A, Gold E, Cannan R, et al:DEXA supports theuse of BMI as a measure of fatness in young girls. Int J ObesRelat Metab Disord 20:1014-1021, 19965)吉池信男,西 信雄,松島松翠ほか:Body Mass Indexに基づく肥満の程度と糖尿病,高血圧,高脂血症の危険因子との関連─多施設共同研究による疫学的検討─.肥満研究 6:4-17, 20006)Whitlock G, Lewington S, Sherliker P, et al;ProspectiveStudy Collaboration:Body-mass index and cause-specificmortality in 900 000 adults:collaborative analyses of 57 prospectivestudies. Lancet 373:1083-1096, 20097)WHO:Obesity:Preventing and managing the global epidemic.Report of a WHO Consultation. WHO TechnicalReport Series 894. World Health Organization, Genova, 20008)日本肥満学会肥満症治療ガイドライン作成委員会:肥満症治療ガイドライン2006.肥満研究 12(増刊号):2006