カレントテラピー 33-9 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.9 9853および肝内胆管)は,男性では上位4番目,女性では上位6番目に位置し,死亡数は30,175人(男性19,816人,女性10,359人:2013年時点)であり,前年の2012年に比べ微増している.肝癌による死亡の推移を1950年から2012年までみると,粗死亡率(図1a)は1970年代半ばまで人口10万人あたり10人前後(死亡実数は1万人以下)と横ばいであったが,その後2002年(人口10万対27.5)まで急増している.男性は女性の約2倍の死亡率を示し,2012年時点では,男性では若干の減少,女性では横ばい状態を保っている.1985年モデル人口を基準集団として算出した年齢調整死亡率(図1b)では,1995年から男女とも減少傾向が認められている.肝炎ウイルス検診・抗ウイルス療法などの予防施策による肝発癌リスクの減少,肝癌治療の進歩による予後の改善あるいは肝癌のリスク集団の減少などが考えられる.2014年以後のDAA導入後には,HCV排除例が増加し肝癌進行例も減少することが見込まれる.わが国の肝癌の成因について,人口動態統計資料と日本肝癌研究会の大規模調査成績2)を基に算出した病因ウイルス別の成績を図1cに示す.B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)の持続感染に起因する肝癌の死亡割合は,1980年代から現在に至るまで,10万人対3~4人と増減なくほぼ一定の値を示しており,きわめて特徴的である.現在の肝癌死亡の半分以下である1977年の肝癌死亡の約41%がHBVに起因すると考えられたが,HBVによる肝癌は1985年41%(人口10万人対)a わが国における肝癌による死亡の推移c 病因別にみた肝細胞癌による死亡の経年的推移b 肝癌年齢調整死亡率の推移(人口10万人対)(人口10万人対)4030201003005101520251950~2012 1950~2012全体男性男性60,000(人)死亡数死亡数(全体)30,0000女性女性‘50‘55‘60‘65‘70‘75‘80‘85‘90‘95‘00‘05‘10 ‘50‘55‘60 ‘70‘75‘80‘85‘90‘95‘00‘05‘10ICD6 ICD7 ICD8 ICD9 ICD10年齢調整死亡率昭和60年モデル人口1980 1985 1990 1995 2000 2005 20101977-200765%15%HBs抗原陰性HCV陽性HBs抗原陽性非B非C403020100‘65ICD6 ICD7 ICD8 ICD9 ICD10図1 肝癌及び肝細胞癌による死亡の推移