カレントテラピー 33-9 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.9 77治療薬解説921ラーゼ阻害薬であるbeclabuvirの固定容量薬による治験が行われ,肝硬変を除外して初回治療312 例と再治療103 例で1日2回内服して12週間の治療が行われた.73%がゲノタイプ1a 型で91%の症例がSVR 12を達成した.リバビリンなしで初回治療のSVR 12が92%,再治療では89%であった(図5 A)10).UNITY - 2試験は初回治療と再治療の代償性肝硬変症例でUNITY - 1と同じ薬剤で102例のリバビリンあり群と100例のなし群を二重盲検で比較したもので,ゲノタイプ1a型が74%を占めている.リバビリンあり群で98%のSVR 12が得られ,リバビリンなし群で93%であった(図5B)11).Ⅴ Grazoprevirを基礎とした治療第二世代プロテアーゼ阻害薬であるgrazoprevirは広範囲のゲノタイプに作用するのが特徴で,これを用いたDAAのみによる治療が行われている.第二相試験ではリバビリンを用いる利点はなく,治療期間を18週間に延長することも利益がなかった12).GrazoprevirとNS5A阻害薬であるelbasvir(MK- 8742),およびSOF 400mgの3剤併用で治療期間が短縮できるか否かが解析され,肝硬変でない場合には4週間と6週間の比較が行われ,肝硬変の場合には6週間と8週間の無作為比較が行われた.現時点でSVR 4/8はいずれも80~94.7%と推定され,4週間の治療では不十分であった13).10例で再燃後elbasvirに対する耐性が検出された.肝硬変でない場合には6~8週間の治99.5 99.0020406080100With RBV RBV-free209/210 207/20997.090.2020406080100With RBV RBV-free97/100 185/205PEARL-Ⅲ:GT1b PEARL-Ⅳ:GT1aSVR 12(%)SVR 12(%)図4再治療例のゲノタイプ1型に対するparitaprevir/r,ombitasvirとdasabuvirによる12週間治療のSVR 12率ゲノタイプ1b型ではリバビリンの有無による差は明瞭でなかったが,ゲノタイプ1a型ではリバビリンなしで治癒しない例が多かった.〔参考文献8)より引用改変〕92 9098020406080100All GT1a GT1b287/312 206/229 81/83GT1 naive without Cirrhosis GT1 naive with Cirrhosis93980204060801003D 3D+RBV53/57 54/55A B図5ゲノタイプ1型C型慢性肝炎に対するダクラタスビル(30mg)とアスナプレビル(200mg),およびbeclabuvir(75mg)の固定容量の錠剤による治療成績初回治療312例と再治療103例のリバビリンを含まない,ゲノタイプ1a型と1b型のSVR率の比較(A)と,リバビリンなし(102例)とリバビリンあり(100例)のSVR率の比較(B).〔参考文献10),11)より引用改変〕