カレントテラピー 33-9 サンプル

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カレントテラピー 33-9 サンプル

Current Therapy 2015 Vol.33 No.9 75919用療法は,米国肝臓病学会で推奨されている治療である.Cohort 1はゲノタイプ1型でF0- F2の線維化が進展していない前治療無効のC型慢性肝炎に対する試験で,シメプレビル150 mgを1日1回とSOF400 mgを1日1回内服して12ないし24週間治療を受けた.どの群でもSVR 12は90%以上であり効果が高かった3).Cohort 2試験はゲノタイプ1型のF3, F4の肝線維化進展例で初回治療と前治療無効例を対象にして,12週間または24週間シメプレビル1日150 mgとSOF 1日400mgにリバビリンを加えるかどうかの4群無作為比較が行われた4).いずれの群でもSVR 12がきわめて高く,24週間の治療を行った場合にはほぼ100%にSVR 12が達成されているが,ゲノタイプ1a型でQ80K変異を有する例では12週間の治療でSVR12が達成されない例が10%程度みられる(図1).一方,SOF 1日400 mgとレジパスビルとは別のNS5A阻害薬であるダクラタスビル1日60mgの併用試験が行われている.126人のゲノタイプ1型における未治療のC型慢性肝炎で肝硬変を除外した症例と,41人のプロテアーゼ阻害薬で治癒しなかった症例に対して,この2剤併用による24週間の治療が行われ,それぞれ98%と98%の症例でSVRが得られている5).また,ゲノタイプ2型では26例が治療を受け92%のSVRが得られ,ゲノタイプ3型では18例が治療を受け89%にSVRが得られている.ゲノタイプ1a型と1b型には差はみられず,リバビリンの使用の有無による差もみられなかった.しかし,この組み合わせは,それぞれの製薬会社が異なるため第Ⅲ相試験が行われていない.Ⅲ プロテアーゼ阻害薬palitaprevir+リトナビルとNS5A阻害薬ombitasvirとポリメラーゼ阻害薬dasabuvirゲノタイプ1型のC型肝硬変症例にABT - 450 /r(palitaprevir:プロテアーゼ阻害薬+リトナビル)+ABT- 267(ombitasvir:NS5A阻害薬)+ABT- 333(dasabuvir:非核酸型ポリメラーゼ阻害薬)+リバビリンの5剤併用療法の試験結果が報告されている6).SVR12はゲノタイプ1a型では12週間の治療で88.6%,24週間治療で94.2%であり,ゲノタイプ1b型では12週間の治療で98.5%,24週間の治療で100%の例にSVRが達成されていた(図2).したがって,この5 剤併用が行える症例では肝線維化が進行していてもSVRが得られる率が高いと考えられる.しかし,リトナビルが加わっているため,薬物相互作用の可能性が高く併用できない薬剤が多いと考えられることから,治療前に併用薬について十分注意しておく必要がある.さらに第Ⅲ相試験が多施設,無作為化,二重盲検で行われ,ゲノタイプ1型で初回治療が3:1に分けられ,100 100SMV/SOF+RBV SMV/SOF24 weeks 12 weeks OverallSMV/SOF+RBV SMV/SOF SMV/SOF±RBV100 100 100 100 100 1006/6 11/11 11/11 4/4 7/7 4/4 5/5 13/14 7/8 3/3 7/8 3/3 18/18 38/40 25/26100 100 1009388 8895 96806040200SVR 12(%)GT 1b GT 1a without Q80K GT 1a with Q80K図1F3,F4の肝線維化が進行したゲノタイプ1型に対するシメプレビル150mgとSOF 400mgにリバビリンを加えるか否か,12週間か24週間かについてのCOSMOS試験Cohort 2(n=87),F3, F4初回治療と前治療無効例SMV+SOF+RBV 24週間(n=30),SMV+SOF 24週間(n=16),SMV+SOF+RBV 12週間(n=27),SMV+SOF 12週間(n=14)ゲノタイプ1b型か,ゲノタイプ1a型でQ80K変異を有するか否か,12週間と24週間の治療期間別SVR 12の比較.SMV:シメプレビル,SOF:ソホスブビル,RBV:リバビリン〔参考文献4)より引用改変〕