カレントテラピー 33-9 サンプル

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72 Current Therapy 2015 Vol.33 No.9916出現したときは,減量するかスピロノダクトン(アルダクトンRA)を投与する.SNMCの長期投与は患者の経済的,精神的,社会的負担になるので推奨されない.SNMCは肝臓を専門としない内科医の下で長々と投与される場合がある.長く静注を繰り返すと静脈炎を起こし血管が詰まることがある.そのため,肝臓の専門医はあまり積極的には投与しない.処方例強力ネオミノファーゲンシー注 1回40~100mL静注1回40mLを週2回程度が望ましい.Ⅴ ウルソデオキシコール酸と強力ネオミノファーゲンシーの併用療法UDCAを投与しているにもかかわらず効果が不十分で,患者の希望がある場合はSNMCの併用を行う.SNMC単独とSNMCにUDCAを併用した併用療法との2群でのRCTでは,併用群のほうが有意にALT値が改善した19).Ⅵ 瀉血療法日本肝臓学会の『C型肝炎治療ガイドライン』で紹介されている治療法である.瀉血療法の適応は,ALTが異常値を示すが,抗ウイルス療法が施行できない患者である.過度の鉄貯留は酸化ストレスを増加させ,C型慢性肝炎を悪化させる.瀉血により,肝臓に著増した過剰の鉄が減少し,ALTを低下させることができる.瀉血療法中は鉄制限食を併用する必要がある.瀉血療法は1回200~400mLを1~2週おきに行い,フェリチン値を20ng/mL以下まで低下させることを目標とする.ヘモグロビン値が9~10g/dL以下になった場合は,瀉血を中止し造血能の回復を待つ.目標達成後は,フェリチン値,ヘモグロビン値を参考に,適宜瀉血療法を追加する.副作用としては,迷走神経反射による徐脈,血圧低下が起こることがある.肝庇護療法でALTが十分下がらないC型慢性肝炎は一度フェリチン値を測定し,何百と高値であれば,瀉血療法を検討してよい.B型肝炎に瀉血療法が有効という報告はなく,保険適用もC型慢性肝炎にしか認められていないため,B型肝炎では行わない.p<0.001(150mg/日 vs. 600mg/日)p=0.021(150mg/日 vs. 900mg/日)p=0.926(600mg/日 vs. 900mg/日)(ANOVA)(SD=87.3)** ** * * *ALT(IU/L)Mean±SD*p<0.01 vs.0週(paired t test)150mg/日600mg/日900mg/日180160140120100806040200-8 -4 0 4 8 12 16 20 24(週)** **** *****図2C型慢性肝炎に対するUDCA投与後のALT値の変化〔参考文献10)より作図〕