カレントテラピー 33-9 サンプル

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42 Current Therapy 2015 Vol.33 No.9886あったという1).2005 年時点の年齢に換算した年齢階級別および出生年別にみたHBs抗原陽性率(HBVキャリアー率)を示したものが図1 である2).献血者全体のHBs 抗原陽性率は0.31%であったが,1943~1950年の間に出生した年齢集団(2005年の時点で55~62 歳)のいわゆる団塊の世代では1%を超えるHBs抗原陽性率を示している.初回供血者集団の成績と節目検診受診者集団の成績から2005年の時点で感染を知らないまま社会に潜伏しているHBVキャリアー数は約90.3万人(83.7~97.0万人),5~74歳に限ると79.4万人(73.5~85.3万人)と推定されている2).これに現在,病院に受診中の患者もしくは,一度HBVキャリアーと診断されるも定期受診していない者を合わせると,わが国には約130万人のHBVキャリアーが存在すると推定されている.Ⅲ 肝硬変肝硬変の原因としては,ウイルス性肝炎(B型肝炎,C型肝炎など),アルコール性肝障害(alcohol liverdisease:ALD),原発性胆汁性肝硬変,ヘモクロマトーシス,自己免疫性肝炎,非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)など,あらゆる慢性肝疾患が肝硬変の原因となる.日本には20~40万人の肝硬変患者がいると推定されている.2008年に実施された日本の肝硬変の成因別実態調査によると,58施設の医療機関で33,379例の肝硬変患者の成因の分析が行われ,C型肝炎は60.9%,B型肝炎13.9%,ALD 13.6%の頻度であったと報告されている(3)図2).肝硬変の患者年齢は50~70歳代に多く,C型肝硬変は70歳以上,B型肝硬変はそれよりも10歳以上若く60歳代という特徴がある.2.01.51.00.50.00.05%%15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65歳2005年時点1990 1985 1980 1975 1970 1965 1960 1950 1945 1940 出生年1.03%1955図1 初回献血者集団における年齢階級別にみたHBs抗原陽性率B+C1.2%アルコール13.6%PBC2.4%AIH1.9%NASH関連2.1%他4.0% B13.9%C60.9%図2 肝硬変の成因別頻度(n=33,379)