カレントテラピー 33-8 サンプル

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12 Current Therapy 2015 Vol.33 No.8748(生物学的製剤)の投与は,リスクとベネフィットを考慮することを推奨する」とした.⑩妊娠出産も同様であり,あくまでケースバイケースである.そこで,「妊娠・授乳中のRA患者に対するcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)やbDMARD(生物学的製剤)の投与は,リスクとベネフィットを考慮することを推奨する」という表現にとどめた.Ⅵ おわりに以上,関節リウマチ診療ガイドライン2014について解説した.本ガイドラインはエビデンスレベルのみならず,患者の価値観なども取り入れて作成したことが最大のポイントである.このガイドラインに書かれている薬物療法や手術,リハビリなどの多くの診療手段をご理解いただいたうえで,治療方針について患者と話し合い,Shared decision making,協働的意思決定を行うことが重要と考える.なお,ガイドラインは日常診療における臨床的判断を支援するものであり,医師の判断を拘束したり,規制したりするものではない.日常診療は多くの不確定要素を含んでおり,ガイドラインを逸脱しても正当化されるべき診療もあり,ガイドライン通りに行うことがすべてを正当化するものでもない.最後に,このことを特に強調しておきたいと思う.参考文献1)Nakayama T, Budgell B, Tsutani K, et al:Confusion aboutthe concept of clinical practice guidelines in Japan:on theway to a social consensus. Int J Qual Health Care 15:359-360, 20032)Eddy DM:Clinical decision making:from theory to practice.Designing a practice policy. Standards, guidelines, andoptions. JAMA 263:3077, 3081, 3084, 19903)日本リウマチ学会編:関節リウマチの診療ガイドライン.メディカルレビュー社,東京,2014