カレントテラピー 33-8 サンプル

カレントテラピー 33-8 サンプル page 8/32

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 33-8 サンプル の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 33-8 サンプル

Current Therapy 2015 Vol.33 No.8 11関節リウマチ診療ガイドライン2014の概要747③メトトレキサート(methotrexate:MTX)は現在のRA治療の中心的な薬剤であり,5つの推奨文を掲載した.特に「MTX以外の従来型抗リウマチ薬に不応性RA患者に対してMTXの投与を推奨する」ことはRA薬物療法の基本である.さらに投与したMTXの効果が十分でなければ,「MTX不応性RA患者に対して従来型抗リウマチ薬追加併用療法を推奨する.ただしリスクとベネフィットを考慮する」と推奨した.抗リウマチ薬の追加で有効性が得られることがあるが,副作用も増える可能性があり,バランスを考える必要がある.④葉酸はMTX投与時に生じる副作用対策として投与される.葉酸投与は,効果を減弱させず,副作用は減少させることが示されたので,「MTX投与時には葉酸併用を推奨する」とした.⑤生物学的製剤については,非常に多くのエビデンスがあり,どの薬剤もエビデンスレベルは非常に高く,推奨度はどれも「強い」.市販されている8 剤すべてについて文章は同じであり,「疾患活動性を有するRA患者に対して投与を推奨する.ただし個々の患者のリスクとベネフィットを勘案して適応を決めるべきである」としたが,必要で安全性が確保されている患者への投与が望まれる.(表2)⑥生物学的製剤投与を受けている患者が整形外科的手術を受ける場合に,周術期に生物学的製剤を投与すると手術部位感染や創傷治癒遅延につながる可能性が示されたので,周術期には休薬が勧められるとした.また生物学的製剤を休薬した場合でも,整形外科手術には十分な注意が必要である.⑦このガイドラインの特徴のひとつとして,欧米のガイドラインでは収載されていない手術療法やリハビリに関して記載したことが挙げられる.わが国のRA診療は内科医のみならず多くの整形外科医が日常診療に関与していること,また治療が進歩したと言っても,それ以前に関節破壊が進行してしまい,関節機能を再建するための手術が必要な患者が多いことから,整形外科的療法やリハビリについても推奨度を決定した.⑧リハビリテーションに関しては患者さんの要望がとても強いことがわかり,ガイドラインに推奨文を掲載した.薬物治療や手術治療以外の方法に対しても患者さんは期待していることを,臨床医はもっと認識すべきであろう.特に,作業療法に関しては,少なくとも関節保護プログラムは有効性が確認されている.関節が変形した進行期のみならず,早期の症例にも積極的な作業療法を行うことが望まれる.⑨合併症を有する患者に対しては多くの臨床医が頭を悩ませている.さまざまエビデンスはあるが,各患者のもつ問題点は,患者によって異なるので,本ガイドラインでは「合併症を有するRA患者に対するcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)やbDMARD推奨14 疾患活動性を有するRA患者に対してインフリキシマブ投与を推奨する.ただし個々の患者のリスクとベネフィットを勘案して適応を決めるべきである.推奨15 疾患活動性を有するRA患者に対してエタネルセプト投与を推奨する.ただし個々の患者のリスクとベネフィットを勘案して適応を決めるべきである.推奨16 疾患活動性を有するRA患者に対してアダリムマブ投与を推奨する.ただし個々の患者のリスクとベネフィットを勘案して適応を決めるべきである.推奨17 疾患活動性を有するRA患者に対してゴリムマブ投与を推奨する.ただし個々の患者のリスクとベネフィットを勘案して適応を決めるべきである.推奨18 疾患活動性を有するRA患者に対してセルトリズマブ投与を推奨する.ただし個々の患者のリスクとベネフィットを勘案して適応を決めるべきである.推奨19 疾患活動性を有するRA患者に対してトシリズマブ投与を推奨する.ただし個々の患者のリスクとベネフィットを勘案して適応を決めるべきである.推奨20 疾患活動性を有するRA患者に対してアバタセプト投与を推奨する.ただし個々の患者のリスクとベネフィットを勘案して適応を決めるべきである.推奨21 整形外科手術の周術期にはbDMARD(生物学的製剤)の休薬を推奨する.表2bDMARD(生物学的製剤)に関する推奨文