カレントテラピー 33-8 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.8 7743進化するリウマチ治療― 診療ガイドライン2014からさらなる進化へ―企画東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野 教授/同大医療センター大森病院リウマチ膠原病センター センター長川合眞一近代の関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)に対する薬物療法は,1899年のアスピリン発売から始まる非ステロイド性抗炎症薬の時代が長かったが,1948年のステロイドの登場が大きな節目となった.抗リウマチ薬は1929年の注射金製剤から始まったが,何と言っても1988年にメトトレキサートを米国食品医薬品局が承認したことが大きな飛躍となった.1998年には米国でRAに対する初の生物学的製剤としてエタネルセプトが承認され,また,新たな作用機序であるJAK阻害を介して働くトファシチニブが2012年に米国で承認された.こうしてさまざまな節目を経てRA治療薬は発展を遂げ,今やRAは十分にコントロールが可能な慢性疾患となったようにみえる.ただ,歴史的にこれだけ多くの治療薬が登場したことで,かえってその選択や使用法に困難を感じることが多くなった.そうした臨床医に一定の標準的治療法を提示するのがガイドラインまたはリコメンデーションである.2014年10月に日本リウマチ学会から『関節リウマチ診療ガイドライン2014』が発刊された.このガイドラインは,2004年に日本リウマチ財団が作成したガイドラインから10年ぶりにアップデートされたものだが,今回中心となって作成された山中寿先生に本特集でも解説していただいたように,新方式を取り入れたすばらしいものができたと評価されている.また,このガイドラインは,近年の欧州リウマチ学会によるリコメンデーションの内容とかなりの部分が同じコンセプトで成り立っており,世界的にRA治療の標準化が進んでいることを示しているとも言える.しかし,ガイドラインはあくまで標準治療の雛形を示すものであり,実臨床では常にそれに合わない例に遭遇する.そのため,本特集ではこのわが国のガイドラインを意識したうえで,それぞれの治療薬の使い方をエキスパートの先生方に解説していただいた.さらに,RA治療を支える体制や開発中の治療薬やRA診療でしばしば登場するキーワードについても解説していただいた.読者の皆様には,本特集をお読みいただき,それぞれの先生方による患者さんのための薬物療法を確立していただきたいと望むものである.エディトリアル