カレントテラピー 33-8 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.8 75これからの治療薬811学的製剤未投与患者,TNF阻害製剤不応患者のいずれにおいてもixekizumabの有効性が示された11).しかしながら,用量反応性では10~180mgまでほとんど差異がみられないなど釈然としない.IL - 17阻害製剤の安全性は比較的良好であるが,真菌を含めた感染症リスクを高めると考えられている.したがって有効性が非常に高い乾癬とは異なり,RAにおける有用性は低いと考えられ,ほとんどの製剤がRAでは開発中止となっている.Ⅴ BAFF/BLyS阻害製剤B cell activating factor of the TNF family(BAFF)/B lymphocyte stimulator(BLyS)は未成熟B細胞以降の分化段階においてB細胞に作用し,B細胞の分化と生存に重要な役割を果たす.受容体としてBLyS受容体3(BR 3またはBAFF -R)のほかにa proliferation-inducing ligand(APRIL)受容体でもあるtransmembrane activator- 1 and calciummodulator and cyclophilin ligand-interactor(TACI)とB cell maturation antigen(BCMA)がある.このBAFF/BLySに対するモノクローナル抗体製剤belimumabが,活動性の腎炎や中枢神経症状のない全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)患者において有用であることが示され,50年以上にわたって米国食品医薬品局(FDA)で新薬の承認がなかったSLEに対し,2011年承認された.しかし,RAにおけるBAFF/BLyS阻害製剤の有用性は明らかでない.既存治療に加えてbelimumabの1mg/kg, 4mg/kg, 10mg/kgを隔週で3回,以後4週ごとに点滴静注した283例の臨床試験(NCT00071812)では,主要評価項目の24週時点でのACR 20反応率がプラセボの15.9%に比較して,1mg/kg群の34.7%は有意に(p=0.0097)高値であったが,4mg/kg群の25.4%, 10mg/kg群の28.2%では有意差がなかった12).別の抗BAFF/BLyS抗体であるtabalumabもRAを対象とした開発を進め,生物学的製剤未投与のMTX不応症例を対象とした第Ⅱ相試験で一定の有効性が認められていた13).しかしながら,TNF阻害製剤不応例第Ⅲ相試験のFLEX -M試験(MTX不応例)とFLEX -V試験(TNF阻害製剤不応例)の結果が有望でなかったことから,2013年2月にRAにおける開発中止が発表された.Ⅵ IL-20阻害製剤IL - 20はIL - 10スーパーファミリーに属する炎症性サイトカインであり,主に活性化した単球や樹状ACR20 ACR50 ACR70 ACR20 ACR50 ACR70プラセボ10mg30mg50mg100mg全体日本01020304050607080(%)図3Mavrilimumabの第Ⅱ相試験成績グラフはACR反応率の比較〔参考文献6),7)より筆者作成〕