カレントテラピー 33-8 サンプル

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カレントテラピー 33-8 サンプル

Current Therapy 2015 Vol.33 No.8 73809150, 200mgを毎週または隔週で皮下投与することの有用性を評価したRA-MOBILITY試験パートAが行われ,12週における米国リウマチ学会20%反応基準(ACR20)を満たした患者割合が主要評価項目となった1).150 mg隔週の67%,200 mg隔週の65%,そして150 mg毎週の72%がプラセボの46%に対して有意に高かった(図1).好中球減少などの有害事象や投与利便性を考慮すると,毎週投与の明らかなメリットがみられなかったことから,第Ⅲ相試験では150mgと200mgの隔週投与がプラセボと比較された(RA -MOBILITY試験パートB)2).主要評価項目は24 週時のACR20反応率,16週における身体機能(healthassessment questionnaire-disability index:HAQDI)のベースラインからの変化量,そして52週における改変総Sharpスコア(mTSS)のベースラインからの変化量であった.Sarilumab 150mgと200mgの隔週投与はいずれもすべての主要評価項目においてプラセボに比較して有意に優れた成績を示し,ACR 20反応率はそれぞれ58.0%と66.4%(プラセボ33.4%;p<0.001,図1),HAQ-DI変化量は-0.53と-0.55(プラセボ-0.29;p<0.0001),mTSS変化量は0.90と0.25(プラセボ2.78;p<0.0001)であった.重篤感染症はプラセボの2.3%に対して150 mg投与群で2.6%, 200mg投与群で4.0%であったが,肝機能障害(ALT値の上限3倍を超える増加)はプラセボの2.1%に対して150 mg 投与群で9.5%, 200 mg投与群で8.0%, 500~1,000 /μLの好中球減少ではプラセボの0%に対して150 mg投与群で5.1%, 200 mg投与群で7.8%であった.現在,日本でもMTX不応例を対象とした治験(NCT 01850680)などが開始されている.SirukumabはIgG1κ型の製剤で,MTX不応例を対象とした第Ⅱ相試験において主要評価項目である12週時のACR 20反応率はプラセボの27%に比較して,80 mg群(day 1と8週後に点滴静注)で81%,160mg群で71%, 320mg群で82%と有意に優れていた3).また,ほぼ同時に行われた皮下注射製剤を用いた臨床試験では,MTX不応患者が施設と患者体重を割り付け因子としてプラセボ,sirukumab 25mg,50mg, 100mgを各4週ごとに投与,100mgの隔週投与に1:1:1:1:1で無作為割り付けされた4).主要評価項目である12週時のACR 50反応率はそれぞれ3.3%, 19.4%, 26.7%, 23.3%, 26.7%であり,プラセボ群との統計学的有意差が認められたのは100mg隔週投与群(p=0.026)のみであったが,いずれの投与群でもさまざまな臨床指標で有効性が認められている.安全性については他のIL - 6標的製剤と変わらなかった.日本でも合成抗リウマチ薬や腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)阻害生物学的製剤不応例を対象とした治験が行われている.01020304050607080ACR20 ACR50 ACR70 ACR20 ACR50 ACR70RA-MOBILITY試験パートA(12週) RA-MOBILITY試験パートB(24週)(%)プラセボ150mg 200mg図1RA-MOBILITY試験におけるsarilumabの臨床成績グラフはACR反応率の比較〔参考文献1),2)より筆者作成〕