カレントテラピー 33-8 サンプル page 21/32
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カレントテラピー 33-8 サンプル
Current Therapy 2015 Vol.33 No.8 65関節リウマチ治療を支える体制801診断書は認められなくなった.Ⅵ 医療費控除自己または自己と生計をひとつにする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合,一定の金額について所得税の控除を受けることができる7).治療費だけでなく,通院にかかった交通費など諸費用も対象となるが,予防接種や健康診断にかかった費用は対象とならない.医療費控除額は,前年の1年間に支払った医療費合計額から生命保険の入院給付金や高額療養費などで補てんされる金額と10万円を差し引いた額で最高200万円までとなっている.控除を受けるには医療費控除に関する事項を記載した確定申告書と,医療費の支出を証明する書類を所轄税務署長に提出する3).Ⅶ おわりに医療福祉制度について述べてきたが,残念ながらこれらの制度やサービスを利用できるのは高齢の患者,身体障害者手帳をもっている患者,悪性関節リウマチの患者などに限られている.RAでは発症早期から積極的な治療を勧めて関節破壊の進行を阻止することが予後の改善につながると考えられているが,高疾患活動性で関節破壊の進行が速いと予想される若年の早期RA患者において,高額療養費制度を利用できるのは低所得者や年収370万円未満の一般所得者に限られてくる.やむをえず,早期から新規治療薬を使用することにより寛解を達成,維持してドラッグフリーやドラッグホリデーを目指すが,必ずしも上手くいくとは限らない.高額な薬剤費を何年間払い続けなければならないのか,患者の不安は計り知れない.このような患者を長期高額疾病患者と認定して医療費の自己負担を軽減するようにと,日本リウマチ友の会から厚生労働大臣宛に要望が出されたがまだ実現には至っていない8).現状において,医療福祉制度を利用できる患者には医師からも制度について早めに伝えて手続きを勧め,できる限り医療費負担を軽減するような配慮が必要である.参考文献1)厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆さまへ.(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html)(2015/5/27確認)2)厚生労働省:高額医療・高額介護合算療養費制度について.(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/tp0724-1.html)(2015/5/27確認)3)NPO法人日本医療ソーシャルワーク研究会(編):医療福祉総合ガイドブック2015年度版,医学書院,東京,20154)厚生労働省:介護保険制度の概要.(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/index.html)(2015/5/27確認)5)厚生労働省:障害者福祉.(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/index.html)(2015/5/27確認)6)厚生労働省:難病対策.(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nanbyou/index.html)(2015/5/27確認)7)国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/)(2015/5/27確認)8)日本リウマチ友の会:第54回全国大会.大会決議.流 308:8,2015