カレントテラピー 33-8 サンプル page 12/32
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カレントテラピー 33-8 サンプル
Current Therapy 2015 Vol.33 No.8 15関節リウマチ診療ガイドライン2014─日常診療への応用─751も検討する.低用量での治療を検討する患者:高齢者,低体重,腎機能低下症例,肺病変を有する例,アルコール常飲者,NSAIDs複数内服例高用量での治療を考慮する患者:高活動性,血清反応高値,骨びらん,身体機能制限あり2)増量増量のタイミングは,欧米では2~6週としている.しかし,MTX投与開始4週後の有効率は20~30%(最終有効率の50%)とされ2),特に低用量ではMTXの効果判定をするには2週間では短期間と考えられる.4週ごとのtight controlが3カ月ごとのモニタリングよりも,寛解率,関節破壊ともに優れていたこともあり,効果が不十分であれば早めに副作用のモニタリングとともに増量する.3)最大用量MTXの有効性は用量依存性に増すことが知られている.日本では,3つのコホート研究(IORRA, REAL,NinJa)を受け,2011年にそれまでの上限であった8mg/週から,16mg/週まで使用できるようになった.ただし,15mg/週を超えると,一部の治療指標はプラトーに達してくることが知られている3).【MTX増量スケジュールの例】早期RAでのMTX単独とTNF阻害薬を比較した代表的なスタディーであるASPIRE, TEMPO, PREMIER試験では初回投与量7 . 5mg/週,4 週後10~15mg/週,6週後15~17.5mg/週,8週後には最大投与量の20mg/週となっている.体格の違いを考慮して目安として0.3mg/kg/週を目標投与量とすれば,日本では増量時には血算と肝酵素を確認して表2のように増量するスケジュールも考えられる.腎機能の低下している患者においては用量調整が必要であり,欧米では糸球体濾過量(glomerular filtrationrate:GFR)による調節が勧められており,GFR 60~80 mL/ 分/ 1. 73 m2では25%の増量51~(禁忌)1. 妊娠している可能性やその計画のある患者,授乳中の患者2. 本剤の成分に対して過敏症の既往のある患者3. 重症感染症を有する患者4. 重大な血液・リンパ系障害を有する患者①白血球数<3,000/mm3②血小板数<50,000/mm3③骨髄異形成症候群,再生不良性貧血,赤芽球癆の病歴④過去5年以内のリンパ球増殖性疾患の診断あるいは治療歴5.肝障害を有する患者①AST,ALT値が基準値上限の2倍を超える場合②B型またはC型の急性・慢性活動性ウイルス性肝炎を合併している場合③過去5年以内のリンパ増殖性疾患の診断あるいは治療歴のある場合6.高度な腎機能障害を有する患者①腎糸球体濾過量(GFR)<30mL/分/1.73m2,あるいはそれに相当する腎機能障害7.胸水・腹水が存在する患者8.高度な呼吸器障害を有する患者①低酸素血症の存在(室内気でPaO2<70 Torr)②呼吸機能検査で%VC<80%の拘束性障害③画像検査で高度の肺線維症の存在(慎重投与)1.高齢者2.感染症を合併,あるいは反復する患者3.血液・リンパ球系障害を有する患者4.低アルブミン血症を有する患者5.肝障害を有する患者6.腎障害を有する患者7.呼吸器障害を有する患者表1MTX使用における禁忌・慎重投与例