カレントテラピー 33-7 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.7 7647日本の総合医療はどうあるべきか― 新たな総合診療専門医制度の発足を迎えて―企画一般社団法人日本専門医機構理事/公益社団法人地域医療振興協会顧問吉村博邦国の「専門医の在り方に関する検討会」の報告書を受けて,新たな「総合診療専門医」が基本診療領域の専門医資格のひとつに位置づけられることとなり,我が国の医療提供体制にも大きな変革がもたらされることが期待されている.報告書によると,総合診療医には,「日常的に頻度が高く,幅広い領域の疾病と傷害等について,(中略),適切な初期対応と必要に応じた継続医療を全人的に提供することが求められる」とされ,また,「地域によって異なるニーズに的確に対応できる“地域を診る医師”としての視点が重要で,(中略),多様な医療サービスを包括的かつ柔軟に提供することが期待される」と記載されている.すでに,2014年5月に中立的第三者機関としての「日本専門医機構」が設立され,機構の中の「総合診療専門医に関する委員会」の下で,検討会の報告書に沿って議論が進められ,ようやく本年5月に,新たな総合診療専門医養成のためのモデルプログラムの作成がほぼ完了し,研修施設や指導医の基準等についても,理事会の承認の下,機構のホームページに掲載されたところである.しかし,各方面の医療関係者からは,あるべき総合診療専門医の医師像とは何か,何が出来て,何をする医師なのか,総合内科医とどこが違うのか,現在,地域で活躍している総合医はどうなるのか,誰が,何処で,どのように総合診療専門医を育成するのか,果たすべき役割は,期待される成果は,産科や小児科などの専門診療をどの程度まで担うのか……等々,大きな期待が寄せられている反面,不安や混乱が起こることを危惧する声も少なくない.今回の企画では,①新たな総合診療専門医制度発足の経緯と今後の展望,②我が国のあるべき総合診療と新たな総合診療専門医,③臓器別専門医から見た総合診療専門医への期待,④総合診療専門医の育成,⑤海外の総合医・家庭医の現状など,5つの視点から,それぞれの項目について,現在,我が国において最も造詣の深いと思われる14名の方々に,最新の知見を中心に詳しく解説頂いた.また,「新しい総合診療専門医制度への期待」というテーマで座談会を開催し,その記録を掲載した.この企画が,読者の総合診療専門医制度への理解を深め,その構築,さらに充実・発展の一助となれば幸いである.エディトリアル