カレントテラピー 33-7 サンプル page 15/28
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カレントテラピー 33-7 サンプル
54 Current Therapy 2015 Vol.33 No.7694粋を紹介する1).1 総合診療専門医の医師像(あるべき総合診療専門医)について1)総合診療専門医の定義日常遭遇する疾患や障害に対して適切な初期対応と必要に応じた継続医療を全人的に提供するとともに,疾病の予防,介護,看取り,地域の保健・福祉活動など人々の命と健康に関わる幅広い問題について,適切な対応が出来る医師.所定のカリキュラムを履修し,知識・技術・態度についての専門医試験に合格した者.2)総合診療専門医の特徴領域別専門医が「深さ」が特徴であるのに対して,「扱う問題の広さと多様性」が特徴.3)総合診療専門医に期待される役割主に,地域を支える診療所や病院において,他の領域別専門医,一般の医師,歯科医師,医療や健康に関わるその他の職種等と連携して,地域の医療,介護,保険等の様々な分野におけるリーダーシップを発揮しつつ,多様な医療サービス(在宅医療,緩和ケア,高齢者ケア等を含む)を包括的かつ柔軟に提供すること.4)総合診療専門医が持つべき医学的な知識および技術? 健康増進と疾病予防? 幼少期・思春期のケア? 高齢者のケア? 終末期のケア? 女性の健康問題? 男性の健康問題? リハビリテーション? メンタルヘルス? 救急医療(蘇生を含め初期救急への対応が出来る)? 臓器別の問題(臓器別各種疾患に対する初期対応,専門医への紹介の必要性の判断,必要に応じた継続医療が出来る)心血管系,呼吸器系,消化器系,代謝内分泌系,神経系,腎・泌尿器系,リウマチ,筋・骨格系,皮膚,耳鼻咽喉,眼,生殖器系,など.5)総合診療専門医に求められる能力(1)患者中心・家族志向の医療を提供する能力(2) 包括的で継続的,かつ効率的な医療を提供する能力(3)地域・コミュニティをケアする能力 ( 地域内での医療者間の連携・コミュニケーション能力,24時間対応の医療チームの構築,ドクターヘリなどによる救急搬送,等を含む)(4)身体的ケアと共に精神的ケアが出来る能力この他,全ての医師が備えるべき能力(資質)として以下の事項が挙げられる.? 医師としての高い倫理観・責任感(プロフェッショナリズム)を有する.常に,倫理的な診療を心がけ,職能集団としての規範を守り,自ら設定した高い行動基準に基づいて医師としての職務を果たす.? 生涯にわたって医師としての能力向上に努める.? 医療安全への配慮.? チーム医療の実践,など.基本プログラム(初期臨床研修修了者が進むプログラム)として,3年間以上が基本とされている.2 総合診療専門医研修プログラム整備基準(案)について平成26年度第2回社員総会において,総合診療専門医研修プログラム整備基準(案)が発表されたので,概説する2).1)領域専門制度の理念? 総合診療専門医の質の向上を図り,以て,国民の健康・福祉に貢献することを第一の目的とする.? 地域で活躍する総合診療医が,誇りをもって診療等に従事できる専門医資格とする.特にこれから,総合診療専門医資格の取得を目指す若手医師にとって,夢と希望を与える制度となることを目指す.? 我が国の今後の医療体制の構築に資する制度とする.2)領域専門医の使命日常遭遇する疾病と障害等に対して適切な初期対応と必要に応じた継続医療を全人的に提供するとと